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拠点統廃合や相互活用、システム・制度面も対象

出版取次大手2社が物流協業へ検討開始

2018年11月19日 (月)

話題出版取次首位の日本出版販売(日販)は19日、同2位のトーハンと物流拠点の相互活用を柱とした「物流協業」の検討を開始すると発表した。両社は4月に公正取引委員会へ物流協業に関する事前相談を行っていたが、10月12日に回答を受け、11月7日に協業の検討を開始することで基本合意に達した。

出版取次市場を「寡占」する両社が物流協業に乗り出すのは、出版物市場の規模がピーク時(1996年)の52%まで縮小(2017年度)した一方、輸送コストは上昇を続け、流通効率の悪化によって全国に広がる物流網を維持するのが難しくなったという背景がある。

物流協業が実現した場合、両社は「制度面・システム面を含めて、厳密な情報遮断措置を講じる」としており、物流網の維持を主眼とした取り組みである点を強調しているが、合わせて8割のシェアを占めるとされる2社が物流分野で協業するインパクトは小さくない。

具体的な協業内容は明らかになっていないが、現時点では両社の物流拠点を相互に活用するほか、統廃合を中心とした「出版流通の合理化」へ向かうものとみられる。制度面やシステム面も協業の検討対象としており、今後は両社がメンバーを選定してプロジェクトチームを立ち上げ、内容を詰める。