拠点・施設出版取次最大手の日本出版販売(日販)とトーハンは21日、2018年11月に検討を開始した物流協業の第1弾として、ことしのできるだけ早期に雑誌返品業務の物流拠点を統合する、と発表した。
日販が雑誌返品業務で使用している出版共同流通(東京都千代田区)の「蓮田センター」(埼玉県蓮田市)を共同運営拠点とし、トーハン「東京ロジスティックセンター」(埼玉県加須市)の同業務を順次移管する。
両社は、残された雑誌送品・書籍新刊送品・書籍返品の協業についても引き続き検討し、物流コスト削減と出版社・運送会社の負担軽減による「持続可能な出版物流」を目指すほか、合わせて8割のシェアを占めるとされる両社の協業が独占禁止法に抵触しないよう、必要に応じて公正取引委員会への報告・相談も行うという。
出版取次市場を「寡占」する両社が物流協業に乗り出すのは、出版物市場の規模がピーク時(1996年)の半分にまで減少した一方で物流コストが上昇、流通効率の悪化によって全国に広がる物流網を維持するのが難しくなったという背景がある。
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出版取次大手2社、拠点統廃合含む物流協業合意(19年4月9日掲載)
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