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ダイキン工業、豪冷凍・冷蔵ショーケースメーカー買収

2018年11月26日 (月)

M&Aダイキン工業は26日、オーストリアの冷凍・冷蔵ショーケースメーカー・AHT社を買収すると発表した。

AHT社は、スーパーマーケット向けに展開している冷凍・冷蔵ショーケース専業メーカーで、冷凍ユニットが内蔵されているタイプのショーケースでは高いシェアを占め、店舗の形態に応じた新商品を積極的に投入してきた。さらに、店舗設計のノウハウと高い技術力を活かしてグローバルでチェーン展開する「大手の有力顧客」を持っているという。

ダイキン工業は、これまで欧州ではスーパーマーケットやコンビニなどの店舗向けの空調機や冷凍機のほか、海上コンテナ用冷凍機などの商品を販売してきた。昨今の市場変化に対応するため、2016年イタリアの冷凍・冷蔵機メーカーであるザノッティ社を買収し、産業用から陸上輸送用、商業用までの幅広い冷凍・冷蔵機器をラインアップし、コールドチェーン全体をカバーするための事業基盤を構築してきた。

今回の買収で、従来の製品群に加えて、AHT社が持つショーケースと大手スーパーマーケットなどの顧客基盤を獲得することができる。また、機器の設置工事から試運転、保守までを一括で請け負うサービス機能を充実させ、さらにショーケースや低温倉庫、空調を含めた店舗全体の設計のほか、遠隔監視・制御や故障予知、複数の店舗管理に最適なコントロールの提供などのソリューション事業を拡大していく。

加えて、空調や暖房、アプライドも含めて、食品の管理から店舗空間も含めたコールドチェーン全体をカバーするトータルなシステム提案が可能になり、総合空調・冷凍冷蔵機器メーカーとしてさらに事業を強化していく。

買収後は、AHT社の販売、生産体制は基本的に継続する方針。さらに、冷凍・冷蔵と空調機器を大手スーパーマーケットチェーンに向けてワンストップで提供できるよう、販売・サービス体制の強化を進める。

買収価格は8億8100万ユーロ(1145億円)で、子会社のダイキンヨーロッパ社を通じて、AHT社への出資者であるブリッジポイント社(イギリス)から全株式を取得し、2019年1月に買収を完了する。