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23年度中に「AIターミナル」実現、国交省が工程

2019年3月28日 (木)

ロジスティクス国土交通省は28日、コンテナターミナルの本船荷役時間を短縮しながら、ゲート前のトレーラーによる待機問題を「ほぼ解消」することを目指す「AIターミナル」構想で、2019年度から全国のターミナルへの導入を開始するなど、具体的な目標と工程を策定した。

AIターミナル構想は、17年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」に盛り込まれた「世界最高水準の生産性と良好な労働環境を備えるAIターミナル」の実現を目指すもの。

AIを活用するもの、IoTで実現させるもの、自働化させるものを組み合わせて5つの課題ごとに推進し、2023年度中に本船荷役時間の短縮による「運航スケジュールの順守」と、外来トレーラーのゲート前待機時間の短縮による「ゲート前待機をほぼ解消」させる方針を固めた。

▲AIターミナルの実現に向けた取り組みの概要(出所:国交省)

具体的には、「熟練技能者の世界最高の荷役ノウハウをAIにより分析し、その暗黙知を定式化して、若手技能者に継承」する取り組みを21年度まで実証。

タイヤ式ガントリークレーン(RTG)の遠隔操作化と自働化によりクレーン能力を最大化しつつ、オペレーターの労働環境の改善を図る取り組みは18年度までで実証を終え、支援制度を創設した上で19年度から導入を促す。

品名・荷主名・過去の搬出入日時といったビッグデータをAIで分析し、コンテナの蔵置場所の最適化を図る取り組みと、荷役機械の配置や作業タイミングの最適化によって本線荷役と外来トレーラー荷役を両立させる取り組みは20年度まで実証を行う。

また、トレーラーがゲートを通過する際の効率化策として、過去のダメージ画像のビッグデータを分析し、目視で行っているダメージチェックを効率化する取り組みを22年度まで研究、実証する。

このほか、搬出入票情報を自動的に照合し、ゲート処理の迅速化を図る取り組み、内陸部で車両を検知し、事前に荷繰りする取り組み、予約状況を可視化して車両流入を平準化する取り組みについては18年度までで実証を終え、19年度から導入を促進する。

 

▲AIターミナルの実現に向けた工程