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「われ先汽船」一員として積極的に、川崎汽船社長

2019年4月2日 (火)

▲訓示を述べる明珍幸一社長

ロジスティクス川崎汽船は1日、2019年度の入社式を行った。1日付で同社の新社長に就いた明珍幸一社長は、同社の歴史を振り返りながら「川崎汽船は変化を好機と捉えて『われ先汽船』とも言われるように他社に先駆けた取り組みを進めて来た。皆さんには、『われ先汽船』の一員として、物事に先んじて取り組んでほしい」と訓示した。

明珍幸一社長による訓示の要旨は次の通り。

私自身も今日が社長に就任して初めての日であり、皆さんと同じくらい緊張し、且つ期待に胸を膨らましている。

皆さんが入社する川崎汽船は、今年創立 100 周年を迎える。この 1 世紀に亘る航海は常に順風満帆な航海だけではありません。幾多の荒波に直面しながらも、その困難をKラインスピリットに表される「進取の気性」、「自由闊達」、「自主独立」の精神により乗り越えて来た歴史がある。

世界経済の発展とともにお客様の要望、社会のニーズも大きく変わるなか、常に柔軟な対応を進めてきました。その一例は専用船化によるサービスの高品質化だ。なかでも、川崎汽船は自動車専用船の分野では他の船会社に先駆けて完成車輸送に特化した専用船を建造し、スケジュールの安定と貨物の安全輸送を実現した。

コンテナ輸送の分野では、冷凍・冷蔵貨物も含めて海上コンテナのままアメリカ大陸を横断する鉄道を使ったダブルスタックトレインサービスや、それを支える北米での自営ターミナルの設立など日本船社として初の取り組みを推進してきた。バルク輸送の分野では、水深の浅い港に位置する多くの日本の火力発電所に対応できる、
幅広で喫水が浅い石炭専用船を初めて建造し、現在ではこの船形は電力炭輸送では基本船型となっている。

このように、川崎汽船は変化を好機と捉えて「われ先汽船」とも言われるように他社に先駆けた取り組みを進めて来た。高いアンテナを張り巡らして情報を収集し、お客様の要望を聞きながら共に考え、常に過去にとらわれずに新しい発想で課題に取り組み、それを実現する事で、お客様に提供するサービスの品質、そして効率性を高め、自らの差別化に努めてきた。

新入社員の皆さんには、『われ先汽船』の一員として、物事に先んじて取り組んでほしい。従来のやり方をそのまま踏襲するのではなく、何故そのような対応が求められるのか、より良いやり方はないのか。お客様の要望に応えているのか。常に問いかけ、疑問があれば、どんどん上司や先輩に相談してほしい。失敗を恐れず新たなチャレンジに取り組む「進取の気性」を胸に、アンテナを高く張り巡らし、緻密な準備に基づく解決策をお客様に提示出
来る海運のプロとして業務に取組んでほしい。

また、新たに入社される海上従業員の皆さんは、長年培ってきた「安全運航」への取組み、船舶に関わる技術をしっかり引き継いで『安全』を最優先で取り組んでほしい。我々の使命はお客様から託された大事な荷物を大切に、そして安全に目的地まで送り届けること。安全が全ての出発点となることを強く心に留めるとともに、常に高い品質のサービスを提供するよう努めてほしい。

最後に社会人の先輩として一言付け加えると、心身の健康には十分留意してほしい。学生時代とは大きく環境が変わり、戸惑うことも多いと思うが、自らが責任を持って体調管理に務めた上で、業務に臨んでほしい。川崎汽船の明珍幸一社長