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資材製造から服用管理までネットワーク化

サトーなど5社、RFIDで医薬品流通の変革目指す

2019年6月18日 (火)

メディカルサトーヘルスケア、マイクロ・テクニカ、大成化工、クオリカプス、藤森工業の5社は18日、RFIDを用いて医薬品サプライチェーン全体をつなぐ仕組みを共同開発すると発表した。

カプセルや薬液バッグといった医薬品向け資材の製造から、製薬工場、物流、病院、調剤薬局、使用者までの医薬品サプライチェーン全体をRFIDで結び、在庫管理の省力化、正確なトレーサビリティの担保、遠隔診療時代を見据えた医療サービスに役立つ仕組みを目指す。年内の技術確立と2020年の販売開始を見込む。

医薬品を取り巻くサプライチェーンには課題が多い。在庫管理や処方確認など人手不足の中でも正確な業務が求められるほか、偽造防止を目的としたサプライチェーン全体のトレーサビリティが欠かせず、「遠隔診療」や「オンライン服薬指導」の普及に向けては、医薬品を使用者のもとへ直接、正しく運ぶことや、薬剤師が使用者の服薬状況を正確に管理できる仕組みが必要だとされる。

そこで、5社の取り組みではサプライチェーンの上流メーカーや製薬工場で、医薬品のカプセルやボトルそのものにRFIDを埋め込み、梱包する個箱、外箱にもラベルなどにRFIDを搭載、必要情報が上書きされるイメージ。工場からの出荷や、その後の物流における入出庫、在庫管理では、これまで1枚1枚バーコードラベルを読み取っていたものが、RFIDラベルが貼られた外箱を一括で読み取ることで、数十分の作業を数秒に短縮できるという。


病院・薬局では個箱やRFIDボトルを読み取り、人手をかけずに在庫管理や処方の正確さを確保。服用時には、医薬品ボトルの開封検知、胃液に反応して電波を発する電子タグ付きハードカプセルで「正しい薬を正しく服用した」という履歴管理を使用者、家族、医療従事者側へ提供する、としている。