ロジスティクス国土交通省は3月31日、ロシアと協力して取り組むシベリア鉄道を用いた日欧間貨物輸送実証事業の結果を発表した。4件の実証事業を行った結果、いずれもコストが海上輸送の1.5倍程度かそれ以上と「やや割高」で、手続き面でも一部の貨物については「ロシア側の規則の不透明さ」から、積出し港でコンテナへの積み込み直しが発生した。
一方、輸送品質は一部貨物で継続的な軽度の揺れ、突発的な衝撃が記録されたものの、精密機器輸送など輸送貨物そのものへの影響は確認されず、「ほぼ良好」と評価した。またリードタイム、通関手続きも「パイロット輸送の範囲では大きな問題は確認されなかった」という。
国交省は海上輸送、航空輸送に続く第3の輸送手段の選択肢として、ロシア運輸省、ロシア鉄道と協力してシベリア鉄道の利用拡大に取り組んでいる。18年度は日本-モスクワ間でシベリア鉄道を用いた貨物輸送の実証事業を行い、利用促進に向けた課題を現場レベルで検証。
実証結果は「日露間・日欧間の貨物輸送に関わる幅広い荷主企業」などと情報共有している。今後は「貨物輸送実証事業結果報告会」を開く予定で、日程など詳細が決まり次第、告知する方針。
■結果報告(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/report/press/content/001337977.pdf
http://www.mlit.go.jp/report/press/content/001337978.pdf
https://www.logi-today.com/362352