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日通、4施設を500億円超でファンドに譲渡

2020年4月16日 (木)

財務・人事日本通運は16日、同社が所有・建設中の4施設(土地・建物)を信託し、その信託受益権をプロロジスが組成した私募ファンドに総額500億円を超える金額で譲渡することを発表した。

▲九州医薬品センターの竣工イメージ

対象となるのは、既存施設の「溝の口物流センター」(川崎市)、ことし7月竣工の「九州医薬品センター」(北九州市)、11月竣工の「西日本医薬品センター」(大阪府寝屋川市)、12月竣工の「東日本医薬品センター」(埼玉県久喜市)――の合計4施設で、1棟目「溝の口物流センター」は4月9日に引き渡しを完了させている。残る3棟については、21年3月に譲渡する。

譲渡後、日通は施設を賃借する形で物流センター内の業務を継続。プロロジスは、4施設の名称をそれぞれ「プロロジスパーク川崎」「―九州」「―寝屋川」「―久喜」に変更し、施設の運営・管理と投資用不動産としての管理・運用を受託する。

▲富山医薬品センターは12月竣工予定

取材に対し日通は、「このようなスキームで資産の流動化に取り組むのは初めて。対象の4施設は特別損益が発生しないようバランスを考えて選定した。当社は医薬品物流網の構築と本社の建替工事を進めており、先行投資に向けたキャッシュの創出という側面もある」と説明。昨年12月に着工した「富山医薬品センター」は既存施設を含む開発となっているため、今回のスキームには合わないと判断したという。

同社グループは、2023年までの中期目標として(1)資産の流動化によるキャッシュの創出(2)バランスシートのスリム化(3)資産・資金調達の多様化――を進めており、長期的に「グローバルメガフォワーダー」へ成長するための足掛かりとする。

■対象4施設の詳細

譲渡資産所在地譲渡日敷地面積延床面積
溝ノ口物流センター川崎市2020年4月4万1700平方メートル4万9900 平方メートル
東日本医薬品センター埼玉県久喜市2021年3月(予定)5万0500平方メートル6万5400 平方メートル
西日本医薬品センター大阪府寝屋川市2021年3月(予定)3万2400平方メートル6万3600 平方メートル
九州医薬品センター北九州市2021年3月(予定)1万4200平方メートル1万7300 平方メートル