財務・人事日本石油輸送が29日に発表した2020年3月期の連結決算によると、記録的な暖冬などにより石油輸送は低調に推移したものの、高圧ガス輸送部門が運賃改定と新規案件の獲得によって利益を大きく伸ばし、売上高343億2600万円(前期比0.2%増)、営業利益13億300万円(29.1%増)の増収増益で着地した。
石油輸送部門は、暖冬による需要の減少と自然災害による貨物列車の運休の影響で前期比2.4%の減収。利益面では人件費、車両費の増加が影響して31.7%の減益となった。
高圧ガス輸送部門は、主要顧客の運賃改定と液化天然ガス(LNG)輸送の新規案件獲得、液化石油ガス(LPG)輸送の増収などで3.5%の増収。部門利益は前期の3.6倍となる3億4900万円を計上した。
化成品・コンテナ輸送部門は、国内の化成品輸送で料金改定や新規案件の獲得を進めると同時に、海外輸送の収支改善策を実行。コンテナ輸送の増収効果も相まって部門利益2億1200万円を計上し、前期1億5100万円の赤字から営業黒字に転換した。
今期の見通しについては、新型コロナウイルスの影響を合理的に算出することが困難だとして業績予想の開示を見送った。また、2020年度以降の新たな中期経営計画についても計画の策定を延期する。
■決算集計(見出し:年/決算期/四半期、[]:前年同期比、単位:百万円)20/3/通期 [前年同期比] | 20/3/3Q [前年同期比] | 20/3/中間 [前年同期比] | 20/3/1Q [前年同期比] | |
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売上高 | 34,326 [0.3%] | 25,051 [1.3%] | 15,968 [2.7%] | 7,845 [1.5%] |
営業利益 | 1,303 [29.1%] | 702 [6.7%] | 195 [-10.6%] | 92 [-48.9%] |
最終利益 | 1,115 [34.2%] | 738 [26.4%] | 324 [29.6%] | 203 [2.5%] |
売上高営業利益率 | 3.8% | 2.8% | 1.2% | 1.2% |