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再配達6割以上減少、IoT宅配ボックスの効果明らかに

2020年6月24日 (水)

調査・データLIXIL(リクシル)が24日発表したIoT宅配ボックスの実証実験の結果で、再配達率が実証前の41.7%から14.9%へと、6割以上減少したことがわかった。実証は東京都江東区・江戸川区の100世帯を対象として、2019年11月1日から20年2月29日にかけて、佐川急便、日本郵便などと協力して実施した。

▲スマート宅配ポスト

実証実験は、外出先からでも配達確認や応答ができるIoT宅配ボックス「スマート宅配ポスト」を100世帯に無償配布した上で、再配達の削減効果や利用者のストレス変化などを検証したもの。

新たな試みとして、配達員がQRコードを用いて解錠パスワードを取得し、1つの宅配ボックスに複数の荷物を投函できるサービスや、クリーニングの集配サービスの実用性についても効果を確かめた。

調査の結果、実証実験を開始する前は再配達率が41.7%だったが、実験期間中の再配達率は14.9%まで抑えた。また配達員1人あたりの労働時間は178時間削減することに成功、実験の参加者のほとんどが受け取りに関する「ストレスの改善」を実感しているという。

QRコードを用いた複数荷物の受け取りについても、「自分で解錠する手間が省ける」といった意見など、6割の利用者が魅力に感じていることがわかった。

実験に協力した佐川急便・商品企画課長の萩原健二氏は、QRコードを用いた荷物の投函について、「ほかの会社にはない新しいやり方で非常に便利だとドライバーは感じている。セキュリティのしっかりした宅配ボックスが付いていると、ドライバーにとっても安心だ」とコメント。

今後は、共同配送の検討を進めていきたいという。萩原氏は、「同じ荷受人宛てに1日2回、3回行くこともしばしばある。例えば、ほかの宅配事業者と連携して一緒に配達できれば、それによりドライバーの負担も減る。このような取り組みを今後も地域ごとに展開していきたい」と意気込む。

クリーニングの集配サービスを行ったアクティーズ(東京都江戸川区)の金野哲也社長は、「参加者から『とても便利だった』『サービスを継続してほしい』という声もあり、今回のプロジェクトで行った戸建住宅のクリーニング集配サービスに、今後も継続して関わることができれば大変嬉しい」と好感触を掴んだ様子だった。

▲実証実験の最終結果(出所:LIXIL)