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大幅改善も「先行き不安」、トラック運送業界の景況感1-3月期

2010年5月6日 (木)

調査・データ全日本トラック協会が4月末に発表したことし1-3月のトラック運送業界の景況感(速報)は、燃料高によるコストへの影響が出てきたものの、貨物量の顕著な回復により、輸送数量、営業収入が大幅に改善し、営業利益も持ち直した。景況感の判断指数は▲46で30ポイントの大幅な改善となった。指標の改善は4四半期連続。ただ、4-6月期は「先行き不安はぬぐわれていない」として、▲58と今回よりも水準を下げる見通し。

 

<部門・テーマ別>
1-3月期は各貨物とも輸送数量の改善が顕著で、特に宅配以外の特積み貨物が50ポイントを超える大幅改善となった。4-6月期の見通しは▲58で、今回より12ポイント悪化の見通しを立てた。

 

□宅配貨物
宅配貨物は輸送数量の判断指標が▲32となり、前回から43ポイント改善。営業収入も▲31となり、前回比で45ポイント改善した。営業利益は▲36で、前回から16ポイント改善したものの、輸送数量、営業収入に比べると改善幅は大きくない。4-6月期は大きな変化がない見込み。

 

□特積み貨物
宅配以外の特積貨物では、輸送数量が▲14となり、前回から53ポイント改善した。営業収入は▲21で前回比43ポイント改善。営業利益は▲23となり、前回から19ポイント改善した。4-6月期も1-3月期並みの見通し。

 

□一般貨物
一般貨物は、輸送数量は▲23となり、前回から43ポイント改善。営業収入も▲29で前回から37ポイント改善した。営業利益は▲34となり、前回比22ポイント改善した。4-6月期は今回より水準を下げる見込み。

 

□運賃水準
宅配貨物▲26(前回は▲35)、一般貨物▲25(同▲34)でやや改善。宅配以外の特積み貨物は▲16(▲33)でほぼ下げどまった。翌期も大きな変化はないが、一般貨物でやや水準を下げる見込み。

 

□実働率など
実働率は▲17(▲45)、実車率▲15(▲38)でともに改善。雇用状況も▲11(▲17)と、ほぼ人手の過不足はない状況となった。採用は▲18(▲28)、所定外労働時間▲15(▲33)でともに改善した。保有車両台数は▲24(前回31)でやや改善したものの、改善幅は小さい。貨物の再委託(下請け運送会社への委託割合)は▲30(▲49)で水準を上げた。翌期は実働率、実車率ともにやや水準を下げ、雇用状況は引き続き過不足なし、採用状況は横ばい、所定外労働時間でやや減少となる見込み。保有車両台数はやや減少が続き、貨物の再委託はやや水準を下げる。

 

□地域別・取扱品目別
北海道を除くすべての地域で改善が見られ、特に中国・中部の改善幅が大きかった。東北も前回より改善したが、他地域に比べると最も厳しい。事業規模別では大規模事業者の改善幅が大きかった。品目別では建設関連貨物の改善の足取りが遅く、相対的な水準も低いとした。翌期は東北以外のすべての地域で水準を下げ、特に北海道は最も厳しくなるとしている。品目別では、消費関連貨物以外で水準を下げる見込み。