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川崎近海汽船、通期営業損失14億円の見通し

2020年7月31日 (金)

財務・人事川崎近海汽船は7月31日、2021年3月期の業績予想を公表し、通期で営業損益が14億円の損失、最終損益が8億円の損失となる見通しを明らかにした。

近海部門のバイオマス関連輸送と、内航部門の生活雑貨輸送が堅調に推移しているものの、鉄鋼需要の低迷により、近海部門の鉄鋼メーカー向け石炭輸送や東南アジア向け鋼材輸送の輸送量が減少。内航部門でも紙製品や建設資材の輸送が大幅に減少しており、不定期船では、鉄鋼メーカー向け副原料の輸送などが減少しているという。

足元の第1四半期(4-6月)決算は、売上高が前年同期から20億円減少し90億8000万円(18.1%減)で、営業損益は前年同期の4300万円の損失から3億1600万円の損失に、最終損益も前年同期の1300万円の損失から1億2700万円損失に拡大した。

部門別では、内航部門が入渠数の減少と運航本数の減少による借船料や燃料費の減少によって、第1四半期の部門損益が2500万円の利益(前年同期1400万円の損失)に黒字化したものの、通期では1億5000万円の部門損失を予想。

近海部門の1Q部門損益は、前年同期5200万円の利益から1億8500万円の損失に転じ、通期では7億5000万円の損失となる見通し。

二酸化炭素の回収・海底貯蔵事業の調査とサルベージを手がけるOSV部門は、期初からプロジェクト案件が少なかったため、1Q部門損益が前年同期8100万円の損失から1億5600万円の損失に赤字幅が拡大。「引き続き厳しい状況が続く」ことから、通期で5億円の損失が予想されている。

同社は今後の方針について、「売上、利益水準ともに前年を大きく下回ることを予想しているが、引き続き新型コロナウイルス感染症への対応に適切に取り組み、顧客の動向に注視する。顧客のニーズと中長期的な市場動向を見極めながら、コスト削減と安全運航に努めて、収支改善を図っていく」としている。

■決算集計(見出し:年/決算期/四半期、[]:前年同期比、単位:百万円)
 21/3/1Q20/3/通期20/3/3Q20/3/中間
売上高9,080 [-18.1%]44,337 [-3.1%]34,047 [-1.8%]22,505 [1.4%]
営業利益-316 [ - ]1,913 [-4.6%]2,077 [35.9%]1,444 [112%]
最終利益-127 [ - ]1,370 [-19.3%]1,628 [16.2%]1,086 [21.2%]
売上高営業利益率-3.5%4.3%6.1%6.4%