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東京港の海コン車待機時間大幅に短縮、貨物減影響か

2020年8月19日 (水)

調査・データ東京都トラック協会がまとめた東京港コンテナターミナルの海上コンテナ車両待機時間調査(調査期間5月7-28日)の結果によると、調査対象となった12のターミナルで軒並み待機時間が減少し、前年の5月に行われた調査では3か所あった「2時間以上」の待機がすべて解消されたことがわかった。

前年同月に行われた調査では3ターミナル・7作業で2時間を超え、最も長かった大井2号ターミナルの「輸入空コンテナ搬入」は2時間56分と、3時間に迫る待機時間を記録していたが、今回は2時間以上のターミナルがなくなり、2か所のターミナルで30分未満となった。

■各ターミナルの作業ごとの平均待機時間(東京都トラック協会)

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調査が行われた5月7日から28日までは、大部分が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言(5月25日解除)の発令下にあった。平均待機時間が短くなった理由として、新型コロナウイルスの影響でコンテナの取扱個数が減少したとも考えられそうだが、実際には都が集計した5月の東京港のコンテナ取扱個数は、むしろ増加している。

東京都トラック協会の担当者は「新型コロナウイルスの感染拡大が何らかの影響を及ぼしたとすれば、待機問題が改善されたとは思えない」とした上で、「東京港でコンテナの取り扱いが増加したとしても、荷主が需要の減退を理由にターミナルからコンテナを引き出さず、止め置く流れができていた可能性もある。いずれにしても、なぜ平均待機時間が短縮されたのかの答えを出すには、判断材料が不足している」と話した。

調査は首都圏のトラック協会に設けられている海上コンテナ部会に所属する事業者のうち、31店社を対象として、ターミナルの輸出入ごとに空コンテナ、実入りコンテナの出入りに分けて、「車両待機列に到着した時点からターミナルを出るまでの平均待機時間」を調べたもの。

従って、コンテナターミナルごとに「輸出に使用される空コンテナ搬出」「輸出に使用される実入りコンテナ搬入」「輸入に使用される空コンテナ搬入」「輸入に使用される実入りコンテナ搬出」の4つの作業で平均待機時間を計測し、全ターミナルでは12ターミナル×4作業で48の作業で平均待機時間を算出している。