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WMS、シャッター、コンベアと連携し全方位走行

AGILOX、自律カウンターバランス式フォーク開発

2020年9月16日 (水)

サービス・商品AGILOX(アジロックス、オーストリア)は16日、新たな自律型カウンターバランス式全方位走行フォークリフト「OCF」を開発し、倉庫内搬送機分野に本格参入すると発表した。OCFの試作機がオーストリアのフォルヒドルフ工場で行われたテストで「優れた結果」を収めたことを受け、「間もなく量産を開始」する方針で、2021年第1四半期に納入をスタートする。

新製品のOCFは、先行して発売された無人搬送車「ONE」シリーズに続く同社製品。ONEは複数の車両を集中制御システムなしで運用できるコンパクトなインテリジェント型搬送機で、自らの経路を計画することで、従来のAGVより高い柔軟性を発揮できるのが特徴。車両のプログラミングやティーチングが容易で、保守やアップデートなどを含め、集中制御用ソフトウェアによるプログラムが不要。

OCFは、ONEが荷物の持上げ装置としてシザーリフトを装備し、車両外形に収まる荷物を搬送するのに対し、カウンターバランス式フォークリフトのスタイルに設計されているため、平パレットやメッシュパレットなど最大重量1500キロの荷役台を持ち上げ、指定場所まで搬送。荷物は最高1600ミリまで揚げることができる。

ONEは主に生産現場の材料供給に用いられるが、OCFはパレットベースの搬送が可能なため、生産現場での活用だけでなく荷物の積み下ろし、オーダーピッキング、倉庫内業務といった倉庫内業務に対応する。

全方位駆動コンセプトを採用し、狭い通路を横移動して、ある位置で方向転換するなど狭いスペースを活用することができる。同じリチウムイオンバッテリー技術を用いているため、3分の充電で最長1時間の動作が可能だという。

これらの同社車両はシステム連携ツールを使用することで、WMS(倉庫管理システム)やMES(生産管理システム)に接続し、オプションのI/Oボックスによってシャッターや据え付け型コンベアシステムといったほかのインフラと統合できるのも特徴。

群知能をベースとしてONEとOCFを組み合わせて運用した場合、小型のONEが組立ステーションへの部品供給作業や電子カンバン式部品棚への対応を行う一方で、同じ制御システムとWiFi設備を用いて、大型のOCFがパレット搬送を担う――といった利用方法も可能になる。