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スカニア、最大770馬力で燃費改善の新V8エンジン

2020年9月29日 (火)

▲16リットルV8エンジン(出所:スカニア)

国際フォルクスワーゲン傘下で商用車メーカーのスカニア(スウェーデン)は現地時間28日、最大馬力(hp)530~770の新しいV8エンジンを同社ホームページで紹介した。

4種類用意されている新エンジンは、それぞれ530、590、660、770馬力と、日本国内メーカーのものと比べてハイパワーで、新開発のギアボックスを組み込めば、最大6%の燃費改善効果を見込めるのが特徴。

欧州の一般的な長距離トラックは年間走行距離が15万キロ程度といわれており、新しいV8エンジンを搭載したトラックであれば、年間3000~4000リットルの燃料節約につながる計算だという。

(出所:スカニア)

スカニアは、燃料電池車を含む電気トラックの開発が注目を集めているが、同社は「新しい家が建設中だからといって、今の家を焼き払うことはしないはずだ」と、独特の言い回しで新しいディーゼルエンジンを開発した意図を説明。将来的には電気トラックが主流になるとみているが、足元では化石燃料トラックによる輸送に依存しており、新エンジンの燃費改善効果は重要な役割を果たしていると付け加えた。

最大770馬力のハイパワーエンジンとした理由については、輸送効率の向上がCO2削減につながることを強調。最も早く輸送効率を上げる方法は、より長くて大きいトラックに、より多くの貨物を積み込むことであり、ハイパワーエンジンは比較的多くの燃料を必要とするが、貨物重量あたりのCO2排出量は少なくなると説明した。また、新しいV8トラックの運用に、再生可能なバイオ燃料を用いれば、さらに効果的な改善効果が見込めるとした。

ハイパワーエンジンは、特に北欧諸国で人気を集めているが、イタリアやスペインなどの丘陵地帯でも需要があるという。同社のセールス・マーケティング責任者は、「こうしたトラックを注文する顧客は、積載重量が大きいほど輸送効率が向上し、収益が増加、車両価値も高くなるという強い論理的根拠に基づいて購入している。一方で、こうしたハイパワートラックを運転することに純粋な喜びを感じ、心躍らせる人がいることも私は知っている」とコメントしている。

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