産業・一般三菱ガス化学は9日、これまでエイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル(AGIC)で展開してきた高純度イソフタル酸(PIA)事業の営業機能を、今月から取り込むと発表した。
6月末には双日が保有していたAGICの発行済株式総数の8.4%にあたる7万1400株を取得し、AGICを完全子会社としている。
PIAは、メタキシレンから合成される芳香族ジカルボン酸で、ボトル用PET樹脂などの改質剤や各種塗料、不飽和ポリエステル樹脂などの原料として使われており、世界同時不況で落ち込んだ需要も今後は中国などのアジアを中心に年率7-8%の成長が見込まれる。
組織を一体化することで、原料メタキシレンからPIAまでの一貫したコスト管理と市況変動に対応した速やかな販売戦略の立案が可能となり、PIA事業の競争力強化につながると判断した。
現状のAGICの営業戦力に加えて三菱ガス化学の営業力も活用することで、生産能力年間22万トンのPIA拡販、一体運営の強化を進める。
併せて、物流部門を整備、効率化を図るとともに、AGIC本社事務所の統合など、コストダウンにも取り組み、PIA事業の収益改善、メタキシレンジアミン(MXDA)、MXナイロン、芳香族アルデヒドを含めた芳香族化学品事業全体の収益確保を図る。