財務・人事飯野海運が6日発表した4‐9月期(2021年3月期第2四半期)決算によると、売上高は432億3800万円で前年同期実績に比べて3.8%の減収となったが、ケミカルタンカーや大型ガス船の市況が一時的に高騰し、不動産業部門も堅調に推移したことで営業利益は39億2300万円(3.5倍)、四半期最終利益は32億1200万円(8倍)と大幅に改善した。
ケミカルタンカー市況は、石油タンカーの洋上備蓄需要が増加し、市場からプロダクトタンカーが退出した影響で5月以降、好転したが、7月に入るとこの需要が一段落し、輸送需要も減少。夏場の不需要期も重なって市況が再び下落に転じている。
大型ガス船のうち、LPG船市況は原油の協調減産によって副産物であるLPGも減産され、都市封鎖の影響で輸送需要が減退したことから当初市況は軟調に推移。しかし、欧州やアジアの堅調な需要、減速航海による船腹量の減少、入渠船の増加といった要素に支えられ、夏場以降はほぼ好調に推移した。LNG船市況は冬場のエネルギー需要期に向けて回復傾向となった。
通期は売上高850億円(前期比4.7%減)、営業利益51億円(28.3%増)、最終利益47億円(24.1%増)を見込む。
■決算集計(見出し:年/決算期/四半期、[]:前年同期比、単位:百万円)21/3/中間 | 21/3/1Q | 20/3/通期 | 20/3/3Q | |
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売上高 | 43,238 [-3.8%] | 21,875 [-4.9%] | 89,179 [5.1%] | 66,744 [5.1%] |
営業利益 | 3,923 [253.1%] | 2,630 [721.9%] | 3,976 [-16.9%] | 2,962 [-31.6%] |
最終利益 | 3,212 [705%] | 3,021 [ - ] | 3,788 [-19.1%] | 2,053 [-60.3%] |
売上高営業利益率 | 9.1% | 12.0% | 4.5% | 4.4% |