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「物流・国際ゲートウェイ」政策を議論、年度内報告へ

2020年11月10日 (火)

行政・団体政府は11日に「国土交通技術行政の基本政策懇談会」を開催し、物流や国際ゲートウェイなどの技術政策について議論する。

2018年4月に設置されたこの懇談会は、ことし7月にセカンドステージのとりまとめを公表。「物流・ロジスティクス政策」では(1)自動運転・ドローン配送・生活支援サービスの実施とインフラ整備(2)物流・商流情報の共有を可能とするデータプラットフォームの構築(3)大規模物流施設の機能更新(4)被災地の実情に合わせた物流のコントロール――を具体的な施策として挙げていた。

港湾・船舶・空港といった「国際ゲートウェイ」の政策では、(1)中長期的国家ビジョンや国土像の検討(2)港湾コンテナ蔵置計画の最適化(3)水素燃料船向けの燃料供給設備の検討や自動運航船の実用化に向けたガイドラインの作成(4)地方空港におけるターミナル地域などの整備推進――を具体策として提示していた。

11日の第15回懇談会では、セカンドステージの議論をさらに深め、今年度内に交通政策審議会技術分科会技術部会に報告する。

水素燃料の普及促進に期待

4つの大項目については具体的施策として実現もしくはされつつある案件も多数あるので、さらなる推進を期待したい。

中でも大項目化してもらいたいと切望するのが、水素燃料の国家的普及促進活動だ。来るべき自律モビリティ社会に最適な燃料として、その製造過程で火力とは無縁の水素燃料は、脱化石燃料やモーダルシフトをはじめとする政府基本政策とも合致している。

技術革新の積み重ねで設備の小型化と高効率化が向上すれば、多種多様な利用の可能性が高まることは疑いない。エネルギー自給率の低い我が国において、輸入依存から脱却できる大きな転機となるはずだし、何よりも技術次第で国境なき無尽蔵の資源のエネルギー化を自国で内製化できる。

環境保護とエネルギー自給の両立を満たせる選択肢としては、現状では圧倒的に秀でていると評価できる。(企画編集委員・永田利紀)