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国交省、「水素燃料電池船安全ガイドライン」を改訂

2021年8月31日 (火)

行政・団体国土交通省は30日、「水素燃料電池船の安全ガイドライン」の内容を改訂したと発表した。国際海事機関(IMO)の燃料電池船における安全の暫定指針の先行取り入れや小型船の安全要件の見直し、代替設計のリスク評価簡素化などについて見直した。水素燃料電池船の開発・実用化のさらなる促進を目指す。

国交省は、2015年度から2017年度に水素燃料電池船の安全基準を整備するための調査検討を実施し、その成果を踏まえて2018年3月に小型船舶を対象とした「水素燃料電池船の安全ガイドライン」を策定。その後、旅客船やより大型な船への水素燃料電池の活用を推進するにあたり、旅客スペースの確保や安全な水素供給方法の確立などの新たな課題が出てきたことから、「燃料電池船技術評価FS事業」でこれらの課題の対策について検討した。

国際海事機関(IMO)において、燃料電池船の安全要件をまとめた暫定指針について、ことしの海上安全委員会での採択が予定されるなど、国際的な安全基準策定の検討も進んでいる。

国交省は、燃料電池船技術評価FS事業により得られた知見や国際的な暫定指針策定に向けた最新動向を踏まえて、ガイドラインの内容を見直すため、有識者や業界関係者を含めた検討の結果を踏まえてガイドラインの改訂を実施。船舶の安全性を確保すると同時に、燃料タンク配置等の設計の自由度が向上するほか、より大型の船舶の設計にも対応可能となる。こうした取り組みを契機として、水素燃料電池船の開発・実用化を促進していく。