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環境省の委託実証事業が北九州で始まる

CO2フリー水素を物流施設の燃料電池フォークに

2020年11月27日 (金)

環境・CSR福岡県、北九州市、IHI、北九州パワー、福岡酸素、ENEOSの6者は、福岡県北九州市の響灘(ひびきなだ)地区で、二酸化炭素(CO2)を排出しない水素サプライチェーンの構築を目指す実証事業を開始した。

環境省の委託を受けて実施するこの実証事業は、響灘地区の太陽光発電や風力発電、北九州市内のバイオマス発電設備などを活用し、CO2フリーな水素を「つくり」、これを県内各地に「はこび」、「つかう」ことを目指すもの。

▲実証事業の概要図(出所:IHI)

具体的には、太陽光・風力・バイオマスで生み出した電力で水を電気分解し、生成された水素を圧縮して響灘地区の物流施設や「北九州水素タウン」のパイプライン、県内各地の水素ステーションに輸送後、物流施設内の燃料電池フォークリフトや福岡県内の燃料電池自動車、水素実証住宅などがこれを使用。水の電気分解をIHIが、水素の圧縮と配送を福岡酸素が、水素パイプラインへの水素供給をENEOSが担う。

関係6者は今後、2020年度中に水素製造装置や圧縮機などの仕様検討とエネルギーマネジメントシステムの開発を行い、2021年度に装置の運用開始、22年度に本格運用を開始する。事業費は22年度までに8億円を見込む。

次世代エネルギー普及には不可欠な開発

■次世代エネルギー普及には不可欠な開発
「CO₂フリー水素」と聞いて、奇異な感を抱く人も少なくないだろう。
脱化石燃料、脱排気ガスの旗手として期待されている水素エネルギーであるが、その原料である水素の製造過程では、CO₂が発生する――いわれてみれば、専用のプラントで動力を用いて製造装置が動けば、それなりの排出物があることは至極当然だと納得できる。なんでも手放しに喜んだり称えたりは禁物であることの典型だが、水素エネルギー活用のもたらす功利をより万全にするためには、二酸化炭素排出工程の改善や技術開発は避けて通れない課題でもある。
フォークリフトなどの小型ビークルから大型トレーラーにいたるまで、モーダルシフトを推し進める物流業界が同種技術の開発続報を願うのは当然だ。(企画編集委員・永田利紀)