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JR貨物、東京貨物ターミナルで2棟目の物流施設着工

2020年12月10日 (木)

拠点・施設日本貨物鉄道(JR貨物)は10日、東京都品川区の東京貨物ターミナル駅構内で、マルチテナント型の賃貸物流施設「東京レールゲートEAST(イースト)」を着工すると発表した。陸海空の結節点にある立地を生かし、事業パートナーの三井不動産が持つ物流施設開発ノウハウを活用して新たな鉄道輸送需要の創出につなげる。

イーストは2022年8月の完成を目指しており、東京貨物ターミナル駅構内で2月に先行稼働した「東京レールゲートWEST(ウエスト)」と合わせて、利用企業の物流ニーズに幅広く対応する。イーストは鉄骨造・地上5階建て、賃貸床面積14万6886平方メートル(4万4433坪)の物流施設で、建物は免震構造。72時間対応の非常用発電機と24時間有人管理をセットし、利用企業のBCPに配慮する。施工者はフジタが担当する。

現地は首都高速湾岸線大井南ICと同羽田線平和島ICからともに2キロ、東京港国際コンテナターミナルから2キロ、羽田空港国際貨物地区から4キロと、都心部にありながら多様な輸送モードを利用できる好立地。

起点の充実につぐ、到着地の再興までを

鉄道施設の積極的な拡充には多面的な効用が見込める。陸路でのトラック依存が生み出したさまざまな問題の解決には、積極的な鉄道利用の推進が代替策として最も合理的だ。

大都市圏の大規模ターミナルの整備や新設と並行して、各地の主要ターミナルに併設される物流施設の充実と、そこから分岐するローカル路線での各駅もしくは主要駅発の生活配送機能――駅前の再興と物資や情報供給の起点となる、いわば地域インフラとしての構築が理想的。

すでにある線路と駅の活用は手の付けやすい地域振興やコミュニティ維持の一助となるはずだ。(企画編集委員・永田利紀)