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大きく前進、さらに補足も再検討願う/解説

2020年12月16日 (水)

話題全国トラック協会をはじめとする諸団体の地道な努力が反映された予算内容となって喜ばしい限りだが、さらなる追加事案もまだ残っている。特に運送事業者の労働環境整備には、いっそうの後押しが必要と思える。(企画編集委員・永田利紀)

国交省、第3次補正予算案に高速50%割引延長措置
https://www.logi-today.com/412350

(イメージ画像)

たびたび論じられる大型車両の駐車場問題の解決には予算が必要だ。ドライバー専用または優先の休憩施設を確保し、利用料のコスト負担を軽減するためにも、ETC料金の割引率拡大同様に、優待メニューを増やす必要がある。それにもやはりお金がかかる。

加えて明確にしておかねばならないのだが、いわゆる福利厚生とは別物・別次元と捉えるべきで、その理由は安全と人材定着や人材獲得に直結しているからに他ならない。QOL(quality of Life:生活の質)と同列とみなせる、もうひとつのQOL(quality of Labor:労働の質)は、今後の業界にとって徹底的に向き合わねばならないことがらのひとつだ。

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特にドライバー職や港湾や倉庫の現場作業者への身体的・生理的サポートやケアは、当事者だけでなく、それを見守る事務方の労働意欲や帰属意識の維持向上に大きな作用を及ぼす。したがって、過酷な労働環境に耐えられず離職する現場従事者が後を絶たない現状のままでは、その日常や離反の現実を目にする周辺者たちも、やがては業界から逃げ出してしまうのだ。

そのような負の連鎖を断ち切る、または引き起こさないためにも、労働環境やサポートの充実は必要不可欠となるはずだ。「ドライバーという仕事は恵まれている」「高速道路のサービスエリアでの優待項目はうらやましい」などの傍観者からの感想や言葉が頻出し、媒体などで企業や組合ごとの「優待比較特集」などが組まれるぐらいでちょうどよいのではないだろうか。