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ドローン活用、医療分野での実用化が先行か/解説

2020年12月17日 (木)

話題ドローンの普及には2015年ごろから注視し始めたが、今もモヤモヤした感じが拭えない。もちろん極めて個人的な心情や思考回路によるものであって、開発の進捗全般には大いに好感をもって観察している次第だ。(企画編集委員・永田利紀)

ACSL、5キロ積載の物流ドローンで現場実証に成功(20年12月17日掲載)
https://www.logi-today.com/412539

遠隔操作による飛行や、水・陸走行、潜水する物体をラジコンと総称し、愛好家が数多存在した――というのは昔話になろうとしているらしい。従来は運搬ではなく単純に遠隔制御で動くビークル模型だったはずが、全く正反対の方向(形やデザインではなく機能:たとえば撮影や計測、運搬など)に変化したのがドローンだ。

(イメージ画像)

そもそも小型で軽量ゆえの機能性と重量物の運搬が相反する要素となることは素人でもわかる理屈なので、開発メーカー各社は折合いの付け方に工夫や苦労をしていると察する。現時点の意見として、ドローンの利点や得意分野を最大に活用することを優先順位の第一位に置くべきと考える。高頻度の使用に耐える適正な飛行距離と、対象運搬物を絞り込んだ実証実験に専心することが、安全な実用化に向かう最短距離となるはずだ。

具体的にはへき地や過疎化の進む地域。言い換えれば、医療サービスが皆無か不足している地域への医薬品や食材など生活物資の搬送が挙げられる。特に医薬品搬送の効用は多大だろう。医師は遠隔地の住人にモニターごしの「WEB診療」を行い、しかるべき診断のうえ処方箋どおりに調剤された薬品と付帯物がドローンで届けられる。それなら荷重も5キロあれば十分だろうし、複数人数分の搬送も可能かもしれない。

「ドローンは医療補助と老朽化した建造物(高速道路の土台部、鉄道をはじめとする橋梁、ダムなどの水中壁など)の危険検査や劣化計測に」というのがモヤモヤの奥にある筆者の本音だ。