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名実とも民間企業化するための模索は続く/解説

2020年12月25日 (金)

話題国鉄から分割民営化されたJR各社のうち、JR北海道、JR四国、JR貨物の3社が30年以上を経た今も実質的には国営のまま、という事実は重い。

積極的な投資による貨物サービスの拡大などで躍進目覚しいJR貨物については業績の改善が進み、IPOに向けた動きが加速している。問題は赤字路線が多く、JR他社に比して「売り物」の少ない北海道と四国だ。

国交省、JR貨物に対する助成金支援を10年延長
https://www.logi-today.com/413760

昨日(12月24日)の佐川急便×北海道新幹線の貨客混合サービス(https://www.logi-today.com/413619)のような、協業や提携による付加価値や新規サービスの提供以外に活路は見込めない。コロナ禍での観光客をはじめとする旅客激減にあっては、さらなる国庫からの支援なくては経営が立ち行かぬ――というところも、やはり民営化には程遠い感を禁じえない。

(イメージ画像)

空気を運んでも一銭にもならないのだから、安く貨物混載してでも収益の積み増しをしたい、と願うのは当然だ。国土交通省をはじめ、北海道や四国各県の行政も収益寄与の可能性がある試みはどんどん推進したいだろう。そこでもっとも肝心となるのはJRと組む各社の思惑だ。

提携企業にとっての優先順位はコストなのか新サービス提供の素材の一部なのか、または国策への協力支援としてなのか。その内実は不明だが、いずれにしても中長期的には一定の収益が上がり、かつ住民や所在企業の利益につながるという前提条件を満たしていれば、行政の規制緩和を後押しとしつつ、多岐にわたる協業の模索は大いに進めるべきだ。

声がかかれば即応する企業は数多いだろう。かたやで民間側も傍観や声がかかるの待つのではなく、積極的に北海道や四国のJRに提案や打診をしてもよいのではないか。

公共交通の使命と並立させなければならぬ収益確保による経営健全化。簡単でないことは時間の経過が物語っている。しかし短期での解決には至らないまでも、改善を重ねることはできるに違いない。(企画編集委員・永田利紀)