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急傾斜地で収穫のみかん、集荷所へドローン搬送

2021年1月19日 (火)

調査・データブルーイノベーション(東京都文京区)は18日、神奈川県小田原市でドローンを活用した農作物自動運搬の実用化に向け、実証実験を行ったと発表した。

実証実験は環境省と国土交通省が連携して取り組む物流実用化事業の一環として、慶応義塾、神奈川県と3者共同で実施したもので、急傾斜地にあるみかん農園から100メートル離れた集荷所周辺まで、みかん20キロをドローンで運搬した。

農業は人手不足により一人当たりの作業面積が増え、担い手の負担が増えているが、その担い手も高齢化しているため従来の農作業が困難となり、収穫物運搬時の高齢者運転の危険性も指摘されている。小田原市では、多くのみかんが運搬車の立ち入り困難な急傾斜地で栽培されているため、収穫時は何往復も人力で運ばなければならず、少人数で高齢の農業従事者に大きな負担となっていることから、ドローンを活用して農作業のプロセス改善を図る。

実験では安全性、採算性、ドローン機体性能、運用・環境面について検証。急傾斜でドローンの有効性を確かめるとともに、実用化に向けた新たな課題も確認した。今回の実験の標高差は14メートルあり、同社は「今後も地形や搬送物、経路など異なる条件下での実験やコスト検討を積み重ね、地域ごとに最適化したドローンによる自動運搬プロセスの構築を目指す」としている。