国際仏ミシュランは9日、寿命の切れたタイヤからカーボンブラック、オイル、スチール、ガスを回収する特許技術を開発したスウェーデン企業のEnviro(エンバイロ)と共同で、南米チリにタイヤリサイクル工場の建設を開始すると発表した。
工場はチリのアントファガスタに建設し、同国で毎年廃棄されるタイヤの6割近くに相当する年間3万トンのアースムーバータイヤ(ブルドーザー用タイヤ)をリサイクルできる能力を持たせる。3000万ドル以上を投じて年内にも着工し、2023年に稼働を開始する。
工場が完成すると、同社は顧客宅から廃タイヤを直接回収、工場に運び込んで切断してリサイクルする。「カーボンブラック、熱分解油、ガス、スチールなどの新しい高品質の再利用可能な材料を製造するエンバイロ社の技術により、使用済みタイヤのすべてを回収して再利用できるようになる」(ミシュラン)という。
回収材料の90%をタイヤ、コンベヤーベルト、防振製品などのゴム製品に再利用し、残る10%は工場が自家用の熱と電力を生成して直接再利用する。同社は「リサイクルプラントにより、ミシュランは使用済みタイヤの回収から、回収された原材料の新製品の製造への再利用まで、包括的なリサイクルソリューションを提供できるようになる」とエンバイロとの合弁事業に期待を寄せている。