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三井不動産、新たに国内7物件の開発計画を発表

2021年3月4日 (木)

拠点・施設三井不動産は4日、ロジスティクス事業に関する記者説明会を開催し、国内外で展開する物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク」(MFLP)に関して、新たに国内7物件の開発を決定したことを明らかにした。同社は2012年に同事業を開始して以来、平均して1年間に5物件のペースで新規開発を進めてきたが、開発をさらに加速する。

説明会で常務執行役員ロジスティクス本部長の三木孝行氏は、引き続き多様化するテナントのニーズや、さらなるソリューション強化に取り組む考えを説明。「従来以上の事業規模・領域の拡大を目指す」と強調した。

新たに開発計画を発表したのは神奈川県綾瀬市の「MFLP東名綾瀬」、福岡県粕屋町の「粕屋町物流施設計画」(仮称)、三重県木曽岬町の「MFLP弥富木曽岬」、東京都江東区の「MFLP新木場I・II」、神奈川県平塚市の「MFLP平塚III」、海老名市の「MFLP海老名南」。2022年6月から2024年度冬にかけて、順次稼動を開始する。

新たに開発を決定した7物件を含めて、同社が国内外で開発・運営する物流施設は47物件に上る。総延床面積は390万平方メートルに上り、内訳は稼働中の施設が国内31物件で250万平方メートル、開発中の施設が国内14物件・海外2物件を合わせて140平方メートル。2012年からの総投資額は6100億円に達するという。

今回の発表に際して同社は、今般のコロナウイルス禍によって拡大したEC市場において、今後は特に食品などの需要増が見込めることから、冷凍・冷蔵倉庫の事業化を積極的に検討する方針も発表。三木氏は今後の課題として、激化する用地取得競争などを挙げた。

そのほかには、ラストワンマイル配送の重要性が高まっていることを受け、新たに発表したMFLP新木場Iなどを都心近郊型「アーバン型MFLP」と位置付け、開発を強化する考えを説明。「三井不動産インダストリアルパーク羽田」のように、地元企業がオフィスとして入居するなど幅広い用途に対応可能な「ミクスト産業施設」についても展開を拡大するとした。

■倉庫の機械化に加えてデジタル化も

多様化するテナントのニーズへの対応については、昨年に開設した「MFLP ICT LABO 2.0」で提案している「機械化倉庫」の実現に向けた検討を継続。合わせて「デジタル倉庫」も目指すとし、広角レンズカメラやビーコンなど最新のICT技術機器を活用して業務効率化などに取り組んでいることを伝えた。スタートアップとの連携や、特定企業向けのデータセンターなどのBTS事業についても強化する。

新たに発表した国内7物件の開発計画の概要は以下の通り。

■三井不動産の新規開発7物件

(1)MFLP東名綾瀬
IHIとの共同事業。2021年3月開通予定の東名高速道路綾瀬スマートICの隣接地で、首都圏広域への配送に加え、西日本への配送にも優れる。

所在地:神奈川県綾瀬市小園字下原
敷地面積:2万7000平方メートル(8168坪)
延床面積:5万8700平方メートル(1万7757坪)
規模:地上4階建て
アクセス:東名高速道路綾瀬スマートIC(21年3月開通予定)至近、首都圏中央連絡自動車道海老名
ICから5.3キロ
着工:21年3月
竣工:22年6月

(2)粕屋町物流施設計画(仮称)
九州自動車道福岡ICに近接する希少な立地。福岡県都市部や九州広域への配送に対応する。

所在地:福岡県粕屋町
敷地面積:1万7900平方メートル(5415坪)
延床面積:3万6100平方メートル(1万920坪)
規模:地上4階建て
アクセス:九州自動車道福岡ICから1キロ
着工:21年6月
竣工:22年9月

(3)MFLP弥富木曽岬
国道23号線へのアクセスに優れ、広域配送と名古屋市内への配送に対応。ダブルランプウェイを設け、各階にトラックバースを備える。倉庫面積1000坪弱から小割可能で、さまざまなテナントニーズに対応する。

所在地:三重県木曽岬町
敷地面積:5万5100平方メートル(1万6668坪)
延床面積:9万9000平方メートル(2万9948坪)
規模:地上4階建て
アクセス:伊勢湾岸自動車道弥富木曽岬ICから11.1キロ、湾岸弥富ICから9.6キロ、湾岸長島ICから8.5キロ
着工:21年10月
竣工:23年2月

(4)MFLP新木場I
首都高速新木場出入口至近に位置するアーバン型物流拠点。ラストワンマイル配送をはじめとする首都圏への都心配送に強みを持つ。

所在地:東京都江東区新木場
敷地面積:4600平方メートル(1392坪)
延床面積:9500平方メートル(2874坪)
規模:地上4階建て
アクセス:首都高速湾岸線新木場出入口から1.2キロ
着工:21年12月
竣工:23年2月

(5)MFLP新木場II
住友生命保険からの借地事業。首都高速の新木場出入口に近接し、首都圏への配送に強みを持つ。

所在地:東京都江東区新木場
敷地面積:1万3200平方メートル(3993坪)
延床面積:2万8500平方メートル(8621坪)
規模:地上4階建て
アクセス:首都高速湾岸線新木場出入口から1.6キロ
着工:21年度冬
竣工:23年度春

(6)MFLP平塚III
東名高速道路厚木南ICから1.4キロ、厚木ICから3キロに位置する希少性の高い立地。地域配送に加え、東名高速を経由した広域配送にも対応する。

所在地:神奈川県平塚市大神
敷地面積:1万4900平方メートル(4507坪)
延床面積:2万9100平方メートル(8803坪)
規模:地上3階建て
アクセス:東名高速道路厚木南ICから1.4キロ、厚木ICから3キロ
着工:22年度春
竣工:23年度春

(7)MFLP海老名南
東名自動車道と圏央道の結節点に立地。首都圏、近畿圏、中京圏を結ぶ広域物流拠点としての利用を見込む。

所在地:神奈川県海老名市本郷
敷地面積:1万8000平方メートル(5445坪)
延床面積:3万7600平方メートル(1万1374坪)
規模:地上4階建て
アクセス:首都圏中央連絡自動車道寒川北ICから4.2キロ、海老名ICから5.6キロ、東名高速道路厚木ICから5.2キロ
着工:23年度冬
竣工:24年度冬