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フォックスコン、米5G自動生産ラインにAMR投入

2021年4月20日 (火)

サービス・商品フォックスコン・テクノロジー・グループは、米ウィスコンシン州工場で製造ラインに中国AMRメーカーのスタンダードロボット製自動搬送ロボットを導入した。スタンダードロボットの総代理店で輸入元のテクトレ(横浜市中区)が発表した。

▲Oasis 600UL(出所:テクトレ)

ローカル5Gに対応した昇降機能搭載の「オアシス600UL」8台、自動充電器3台、手動充電器1セット、大型資材カート15台、小型資材カート60台、サーバー1台を併せて導入。5Gネットワークサービスを用い、WMS材料管理システム、マトリックスデプロイメントソフトウェア、FMSマルチマシンスケジューリングシステムと組み合わせ、4000平方フィート超のワークショップ内の3工程で、原材料の曲げ加工、溶接部品、組立品など数十種類の資材を自動でハンドリングする。

同工場では、複数タイプのマテハンと複雑なルート、資材カートのサイズ不統一、高精度な位置決めの必要性に対応しなければならず、生産情報管理のためのMESシステムも開発した。

▲積み込みを待つ様子(出所:テクトレ)

これにより、工場内の曲げ加工ライン、溶接ラインでは資材カートを準備エリアまで手動で押し、タブレット端末(iPad)をクリックして資材を積み込んだ後、WMSが異なる作業領域の資材要求に基づいてAMRに搬送タスクを発信。AMRは自動でカートのある場所に移動し、満載になったカートを積み込んで目的地まで搬送、目的地の隣にある空の資材カートを準備エリアに引き戻し、手動での積み込みを待つ——といった流れを確立。

自動組み立てラインでは、準備エリアにキャビネット付きの棚を持っていくと、AMRが自動的に在庫エリアへ運び、1台目のワークステーションが空くとキャビネットを自動的に移動させる。最初のステーションでの組立作業が終了した後は、AMRが次の組立ステーションにキャビネットを搬送、別のAMRが別のキャビネットを最初のワークステーションに運び、キャビネットが5つの組立工程を完了するまで、工程に応じて3台のAMRが順番に資材を自動搬送する。AMRはキャビネットをステージングエリアに搬送し、ガントリークレーンが完成したキャビネットを搬送するのを待つ。

これらの取り組みにより、手動作業に比べて70%の効率化を達成。日勤・夜勤合わせて12人の物流スタッフを削減し、人による手作業を代替して柔軟な物流の搬送ラインを構築した。投資回収までにかかる期間は15か月を見込んでいるという。

■フォックスコンの工場に導入された自動搬送ロボットの様子