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日本郵政、トールのエクス事業売却を正式発表

2021年4月21日 (水)

M&A日本郵政と日本郵便、日本郵便子会社の豪トール・ホールディングスは21日、トール社のエクスプレス事業を、豪州の投資ファンド傘下の豪州・ニュージーランドの物流会社計4社に譲渡すると発表した。20日には一部のメディアが、日本郵政が売却の方針を固めたと報じ、21日午前には日本郵政が今日の取締役会に付議することを伝えていた。

日本郵政はトール社の譲渡に伴い、2021年3月期の連結決算で特別損失674億円(うち減損損失619億円・その他の特損54億円)を計上する見込み。連結業績見通しへの影響については精査中という。トール社のエクスプレス事業の2021年3月期第3四半期の業績は、営業収益が前年同期比31.2%減の20億4200万豪ドル(1702億円)、営業損益(EBIT)は8300万豪ドル(69億円)の赤字(前年同期は1億豪ドルの赤字)だった。

日本郵政は発表に際し、15年に国際物流戦略の拡大を目指してトール社を買収したものの、その後は豪州経済の減速などにより同社の業績が悪化した結果、17年4月には減損損失の計上などに至ったことを説明。また、経営陣の刷新や人員削減などによるコスト削減などに努めたものの、コロナ禍もあって環境は改善せず、昨年11月には売却の検討を明らかにしていたことなどについても述べている。

なお、トール社のエクスプレス事業の範囲は豪州とニュージーランド国内における陸海空の貨物輸送サービスで、譲渡価額は事業に関する資産、負債、人員を含めて7800万豪ドル(7億円)。事業譲渡日は6月末となる見通し。