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日本郵便決算、会社統合後初の最終損失

2017年5月15日 (月)

ロジスティクス日本郵政が15日に発表した2017年3月期決算によると、日本郵便は売上高が1201億円増の3兆7589億円、営業利益が143億円増の534億円と黒字を確保したものの、15年5月に買収した豪州トール社のブランド価値を4003億円下方修正したことで、会社統合後初の最終損失を計上した。

郵便・物流事業は売上高が4億円増の1兆9299億円、営業利益が17億円増の120億円となった。先に巨額赤字の見通しを公表していた国際物流事業は、豪州国内事業の不振が響き、営業利益が115億円減の56億円となったほか、事業価値(のれん)を見直し4003億円の減損損失を計上した。

日本郵政・日本郵便は15年5月のトール社買収に伴い、のれんなど52億7600万豪ドル(5048億円)を計上し、これを20年かけて年間2億6700万豪ドル(218億円)ずつ償却することにしていたが、資源価格の下落、中国経済・豪州経済の減速などを受け、トール社の業績は前年実績を大きく下回る。

こうした事態を受け、1月にはトール社の経営陣を刷新。人員削減や部門の統廃合などによるコスト削減施策を中心に、トール社の業績回復・将来の成長への基盤を整えるための経営改善策を講じているが、「減損テスト」を実施した結果、期末時点でのれんなどの全額に相当する減損損失3923億円、有形固定資産の減損損失80億円の合わせて4003億円を特別損失として計上することになった。

■2017年3月期

期初からの累計実績(百万円)
前年同期比
対売上高利益率
売上高
3,758,9703.3%
営業利益
53,43036.6%1.4%
経常利益
52,22123.3%1.4%
最終利益
-385,235----