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ステムセル研、超低温臨床検体の輸送・保管サービス

2021年4月23日 (金)

メディカルステムセル研究所(東京都港区)は23日、超低温臨床検体輸送サービスと末梢血などの細胞保管サービスの提供を開始すると発表した。

医療機関ではこれまで骨髄細胞や末梢血などの凍結検体を輸送する際、医師の手で直接運ぶ必要があり、一時保管が必要な際は医療機関で保管する必要があった。ステムセル研究所のサービスにより、デリケートな凍結検体の安全な輸送と保管が可能になる。また、医師の負担が軽減されるほか、医療機関の管理コストを抑えて省スペース化も見込める。

同社は第一種貨物利用運送事業の許可を取得しており、全国の臨床検体を一定時間内に回収・処理するネットワークと知見を生かすことで、厳密な温度管理やトレーサビリティが必要とされる検体を氷点下196度の超低温下で輸送できるという。

生物試料を凍結温度(氷点下150度以下)で安全に輸送するための移動用液体窒素タンク「ドライシッパー」を利用し、検体の封入、取り出しを顧客に行ってもらうことで、サービスを安く利用できる手段も用意する。

ドライシッパーの容器は丈夫な軽量アルミニウム製で、液体窒素を疎水性化合物を原料とした内壁に吸収させ、ドライな状態(気相)の輸送に対応。このため非危険物として取り扱うことが可能で、試料の品質を維持したまま世界に輸送できるようになる。

輸送は大手輸送会社に委託するが、管理温度の逸脱を確認できるよう移動中は温度ロガーを作動させてデータを記録する。