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川崎の運送会社が21年最大の負債額で倒産、TDB調べ

2021年5月14日 (金)

M&A帝国データバンクは13日、川崎市高津区の運送会社「51」(フィフティワン)が5月1日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入ったと発表した。負債は金融債務を中心に15億円で、自動車運送業者の倒産としては、全国で2021年最大の負債総額となる。

同社は2011年12月設立の軽貨物、一般貨物運送会社で、主に書籍、食品などの通信販売商品を一般個人宅向けに配送してきたほか、2トン、4トン車を利用した法人向け、緊急的な配送を請け負うスポットチャーターなど、幅広い運送事業を手がけた。

大手や地場の運送会社向け手配業務を担い、実際の運送業務は外注を利用するケースが多かったが、神奈川県、埼玉県、東京都など首都圏エリアをカバー。代表の「長年の業界経験と独自のネットワーク」を背景に、2019年2月期には売上高16億3500万円を計上したが、20年2月期には11億300万円へと3割以上減少し、営業損失2億4800万円、純損失2億4500万円を計上、債務超過に陥った。

財務状況が急変する一方、過去の受注増にともなう増車、人員増といった固定費の負担が増し、有利子負債がかさんだことで資金繰りが悪化。その後も立て直しに努めたが資金繰りは改善せず、今回の措置となった。