ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

タカラトミー、サプライチェーン刷新にインフォア製品を導入

2010年9月16日 (木)

ロジスティクス日本インフォア・グローバル・ソリューションズは16日、タカラトミーの物流子会社、タカラトミーロジスティクスがインフォアの倉庫管理システム「インフォアSCMウェアハウス・マネジメント」を中心とした物流システムを導入し、物流体制を刷新した、と発表した。

 

タカラトミーロジスティクスは、納品精度率を向上し在庫差異率を低下させることにより、高品質・ローコストオペレーションを実現するほか、最適在庫管理、最適拠点、最適輸送ルートでの配送など、変化に対する対応力を強化し、業務プロセスやコストの可視化、トレーサビリティによる実績管理の強化により、情報提供力を向上させる目的で導入した。

 

同社は、輸入した製品を主にカートン単位で国内卸売会社に配送する「メーカー物流」と、他社の商品も含め仕入れした商品をピース単位で小売会社に配送する「小売物流」に分けて、物流を管理・運用している。これまでは、約20年前に構築したシステムを使用して、荷分け業務や伝票発行業務を行っていた。

 

2006年のタカラとトミーの合併により、タカラトミーの荷量は倍増し、繁忙期の業務対応力と納品精度の安定性の確保が必要になるとともに、「業界内のリーディングカンパニーとして、受注状況や在庫状況をリアルタイムに把握しうる一貫物流の構築」を課題としていた。旧システムでは、詳細な物流データを抽出するために個別のスキルを要していた。

 

こうした点を簡素化しつつ、データの可視化を実現するためには、プラットフォームとなる物流システムの導入が必要不可欠と判断し、短期間・低コストで内部統制に対応したシステムの稼働が保証される、パッケージ製品を導入することにした。

 

物流システム刷新は08年春にプロジェクトを開始し、ことし5月にカットオーバー。8月16日から本格稼動を開始している。プロジェクトメンバーは約50人(タカラトミー20人、インフォア30人)で、倉庫管理システム、物流全体制御管理システム(複数拠点にまたがる在庫管理、物流プロセス管理、配車支援など)、輸送管理システムを導入した。

 

物流システムを刷新したことにより、小売物流の一日の処理能力が20万ピースから35万ピースまで向上し、繁忙期の荷量にも対応できるようになった。また、今までひとりの作業者が複数の工程を担当するなど属人化されていた作業が、工程別に分けられ、システムを介して指示された作業を行うなど、業務プロセスが可視化、簡素化された。

 

今後、タカラトミーロジスティクスは、リアルタイムでデータを把握することで、安定した納品を実現するなど高品質・ローコストオペレーションを図るとともに、国内だけでなく海外拠点での物流網の最適化も視野に、サプライチェーンの強化に取り組む。

 

<タカラトミーロジスティクス、松田吉康社長の話>

「物流体制刷新に伴い、数十社(国内・海外)の製品を考慮したが、アドオンしていない状態の標準機能で多くの物流業務要件を網羅できたのは、インフォア製品だけだった。今回のサプライチェーン体制刷新に際し、より最適な物流網を構築するため、倉庫も移転することになり、倉庫選定に大幅に時間が掛ってしまった。その結果、スケジュールを再考することになったが、要件定義に時間を多く配分したため、細かい要件も追加することができた。こうした要件を適切にシステムに落とし込んだことにより、現場作業者にとって使い易いシステムを構築することができた」