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センコーグループ2社が濃硫酸船就航、技術力評価

2021年7月30日 (金)

進水した「祥硫」(出所:センコーグループホールディングス)

ロジスティクスセンコーグループホールディングス傘下で内航・外航海運事業を手掛ける、日本マリン(東京都港区)とセンコー汽船(東京都江東区)は30日、濃硫酸船「祥硫」(しょうりゅう)を新造し、このほど就航したと発表した。両社の高い造船技術と特殊品の海上輸送実績が評価された。国内の造船業界が持つ世界トップ級の技術力を示す好機となりそうだ。

「祥硫」は、既存の顧客が所有する濃硫酸専用の運搬船の老朽化に伴う代替船として建造。瀬戸内海の各港へ濃硫酸を輸送する任務に就く。化学薬品として大量に生産される濃硫酸は、工業用品や肥料、医薬品の製造に必要なほか、鉛蓄電池などの電解液にも使われる。

濃硫酸の海上輸送にあたっては、慎重な荷扱いが求められることから、輸送船舶の建造には高い技術力が要求される。日本マリンとセンコー汽船は、さらにこうした無機製品の輸送領域に進出することで、輸送シェアの拡大を目指す。