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燃料電池船安全ガイドライン案まとめる、IMO小委

2021年9月21日 (火)

国際国土交通省は17日、9月6日から5日間開催された国際海事機関(IMO)の「第7回貨物運送小委員会(CCC 7)」の概要を公表した。燃料電池船の安全要件に関するガイドライン案をまとめたほか、水分管理等の要件を課す貨物分類を見直す規則改正案について合意した。

燃料電池船の安全要件に関するガイドラインについては、国際海運からの温室効果ガスの排出削減のため、水素等を燃料として発電した電気で推進する燃料電池船の開発・普及が期待される。こうした状況を踏まえて、同船については、これまで国際的に統一された安全基準がなかったことから、我が国の知見も踏まえつつ、燃料電池の設置区画の防火対策等の安全要件をまとめたガイドライン案をまとめた。2022年4月に開催予定の第105回IMO海上安全委員会(MSC)において審議・承認される予定で、燃料電池船の普及促進の契機となりそうだ。

国際海上固体ばら積み貨物(IMSBC)コードの改正についても協議。水分を含むことにより流動化が起こる貨物は、船舶の転覆につながるおそれがあることから、IMSBCコードにより、水分管理などの要件が課せられている。
日本はことし1月の作業部会において、動的分離を起こす貨物についても安全性を担保するため定義の見直しを提案。今回の会合でこれを取り入れた第6次IMSBCコード改正案を合意した。改正案は24年1月発効予定で、動的分離を起こすと新たに判断された貨物にも水分管理などの要件が課されることで、船舶の転覆事故の減少が期待される。