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木造倉庫の需要高まり、木材需要増える可能性

2021年9月1日 (水)

ダイリFPC倉庫(出所:カナダウッド)

荷主木造倉庫の需要が高まってきた。カナダ林産品の普及に取り組む非営利業界団体「カナダウッド」の日本事務所(カナダウッドジャパン、東京都港区)によると、国内で最も木材利用の成長が見込めるの分野として運輸・物流向けの建築物需要が注目され、これらの「未開拓市場」で今後、木材使用量が年間50万立方メートル以上増加する可能性もあるという。

倉庫建物は鉄骨造が一般的ながら、例えば住宅部材の製造販売を手がけるダイリFPC(徳島市)では、自社倉庫にツーバイフォー工法を採用。延床面積700平方メートルの倉庫は、ダグラスファーの単板積層材を用いたトラスを採用することで強度を確保し、19×36メートルの空間を柱なしで実現。木構造には定格荷重2.8トンの移動式クレーンを設置し、倉庫の機能性も備えた。

同社は、倉庫建設にツーバイフォー工法を採用した理由として「鉄骨造に比べてコストパフォーマンスが高く、工期も短縮できる。鉄骨造の倉庫だと中が冬は寒くて夏は暑いという状態になってしまいるが、木造は断熱性が高いので快適性があり、労働環境も大きく改善される」と説明。高強度を確保できる点も、台風の多い地域に立地する倉庫に適していると判断した。

カナダウッドジャパンは「国内での木材の利用機会拡大を促進するため、木造倉庫を含む非住宅建築・大規模建築の木造化をはじめとした木造建築の普及活動に取り組む」としている。