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「吉野材」新事業創造へマーケティング拠点を設立

2021年9月17日 (金)

(出所:吉野製材工業協同組合)

荷主良質な材木の産地である奈良県吉野地域にて流通拠点を担う吉野製材工業協同組合(奈良県吉野町)は16日、マーケティング拠点「YOSHINO WING」(ヨシノウイング)を設立したと発表した。ライフスタイルや産業の変化に合わせて、卸売りだけでなく直接販売も開始し、調達から製造・販売までをワンストップで提供する体制を強化することで、従来の流通構造からの脱却を図り、新規ビジネス創出を含めた新たな取り組みを強化する。

日本で最も古い植林の歴史をもつ奈良県吉野地域で生産されるスギやヒノキは「吉野材」と呼ばれ、日本を代表する良質な木材として知られる。しかし、和室の減少などにより高級建築材として取り扱われてきた吉野材は、一般的な木材以上に価格が下落。作業員や山守の高齢化により山の荒廃も進み、吉野材に関わる経営は厳しい状況にある。

吉野材の流通量の3分の1を取り扱う吉野製材工業協同組合は、こうした課題を解決するためヨシノウイングを設立。問屋経由の流通構造に加えて多用途に供給できる流通構造を確立することで、価値を創出し新領域へのチャレンジを推進していく。

ヨシノウイングは、製品の企画や木材の調達から製造や物流、販売までのプロセスを一貫して手がけるビジネスモデルを確立。吉野材を活用したい施主や建築関係者、国産材に関心を持つエンドユーザーのニーズに対して、新たな販路を開拓していく。