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卸市場を「行き場のない野菜」の中継拠点に

2022年12月22日 (木)

▲実証実験で寄付する三浦半島産青首だいこん(出所:ネッスー)

産業・一般神奈川県三浦市で「品質には問題がないけれども行き場のない野菜」を大消費地の首都圏、中部圏、関西圏の3万世帯に寄付する取り組みが、2023年の本格稼働に向けて動き出す。

子供の機会格差解消に取り組むネッスー(東京都世田谷区)が、青果物の流通を担う中央卸売市場を中継拠点として活用するために神奈川県三浦市農業協同組合と連携。市場を豊作による市況の暴落や規格外を理由に発生した行き場のない寄付食品の流通拠点として運用する。

三浦市は大根やキャベツの一大生産地として知られるが、さまざまな理由で「行き場のない野菜」が発生しており、その量は2021年度の大根だけで2000トン以上に上る。市農協は農家と連携してフードバンクに寄付するなど、有効活用の道を模索してきたが、寄付先となるフードバンクなどとの接点がなく、ニーズが拾えていないほか、寄付先に配送する手段がなく、個別配送しようとしても多額の物流費がかかってしまい、保管スペースも狭かったり、冷蔵能力がなかったりといった事情で受け入れてもらえないケースが多いという。

そこで、ネッスーは農家・農協、市場卸売事業者と連携し「つながる、おやさい便」の仕組みを開発。多くのフードバンクなどと接点のあるネッスーが情報のハブを担い、卸売市場への農協の納品便に寄付品も積み合わせて届け、ラストワンマイルはネッスーが担うスキームで実証実験を行う。寄付品の荷受け・保管は設備の整っている市場の卸事業者が担う。

同社は「昨年度、全国の農協が寄付した量の2倍、30トンの寄付が実現する」と実証実験の意義を強調している。

▲実証実験のフロー

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LOGISTICS TODAY編集部
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