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マップル、ルート検索モジュールの高機能版を提供

2021年10月1日 (金)

サービス・商品昭文社ホールディングスは9月30日、グループのマップル(東京都知千代田区)が「ルート探索モジュールVer.2」の提供を開始したと発表した。大型車の車両サイズ規制を搭載したことにより、車高や車幅などを考慮した配送ルートを示す。ルート探索結果から取得できる情報として、高規格・有料道路の情報も追加。ルート探索結果の通過区間が高規格道路か有料道路かの判別が可能となる。

消費スタイルの多様化や新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う宅配ニーズの高まりで、運送・配送事業者が生産性の向上と配送量増加への対応を両立するためには、これまで以上に効率的な業務遂行が不可欠だ。ルート探索モジュールの提供を通じて、運送・配送計画を効率的に作成するだけなく、大型車にとって適切な運行ルートを表示し、スムーズな車両運行を支援する。

マップルのカーナビゲーションソフトウェア「マップルナビ」より、経路探索エンジン部分のプログラムとデータを利用し、「ルート探索モジュール」として提供。自社の配送計画システムや配車システムへのルート探索機能の導入や、地図を利用した車を扱うシステム開発などに対応が可能な、業務システム上で動作するシステムだ。サーバー利用も可能な動作環境で、お客様のシステムへルート探索機能を容易に実装できる。

出発地から複数の経由地を通り、目的地までのルートを探索するほか、複数の立寄地を効率的に経由するルートも提示。地図上に引いた線に沿ったルートの案内も可能だ。特徴的な機能としては、車幅や車高、重量などの数値条件、危険物積載の有無を設定でき、車両に応じた適切なルート提示が可能と仕様とした。

地図ビジネスの主戦場はまさに「物流」だ

トラックドライバーは全国の道路を誰よりも詳しく知っている。そんな「常識」はもはや過去の話なのだろうか。マップルやナビタイムに代表される地図業界各社が、物流現場を意識したデジタルマップの開発に余念がない。

スマートフォンなどでの地図検索が普及した今、かつてビジネスマンの必携アイテムだった冊子型など紙製の地図の販売が落ち込むなかで、新たなビジネス機会をデジタルに求め、そこでの差別化を図る手段として、物流ドライバーを念頭に置いたサービス拡充を進めている。今回の新サービスも、こうした文脈で生まれた取り組みだ。

コロナ禍を契機とした、いわゆる「新しい生活様式」は市場ニーズを大きく変える。こうした急速な社会のパラダイムシフトのうねりのなかで、一気に存在感を高めたのが物流業界だ。デジタル地図の開発競争に挑んでいる各社が、物流現場の抱える業務効率化の課題に対応する着眼点は適切だった。

こうしたドライバーの運転や配車担当者の負担軽減につながる機能の開発に、どんどんしのぎを削ってほしいと思う。それこそが、物流業界にとっては課題解決に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)化につながるし、地図業界も新たなビジネス創出につながるからだ。(編集部・清水直樹)