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次期国交相に斉藤氏起用へ、「理系」型の課題解決を

2021年10月4日 (月)

行政・団体自民党の岸田文雄総裁は、赤羽一嘉国土交通相の後任として、公明党の斉藤鉄夫副代表を起用する意向を固めた。

斉藤氏は69歳、当選9回の衆議院議員。1993年に旧広島1区で初当選し、環境相や公明党幹事長、政調会長などを歴任。2020年9月に公明党副代表に選ばれるとともに、総合選対本部長にも就いた。

国交相の人事をめぐっては、現職で斉藤氏と同じ公明党の赤羽氏を再任する見方もあったが、斉藤氏を推す声も党内に出ていたことなどから、斉藤氏を新たに起用する方針を固めたとみられる。

斉藤氏は島根県羽須美村(現・邑南町)生まれ、広島市育ち。東京工業大大学院理工学研究科応用物理学専攻修士課程修了後、清水建設勤務を経て、政界入りした。

物理学の素養を生かした「理論的」な物流政策の推進に期待

10月4日に発足する岸田新政権で、斉藤徹夫氏の国土交通相就任が有力となった。物流政策に前向きな姿勢を維持した前任の赤羽氏の流れを引き継いで、まずは日本物流団体連合会(物流連)との緊密な連携による、山積する課題への積極的な対応を期待したい。

国交相ポストは、2012年12月の第2次安倍政権発足時から太田昭宏氏、石井啓一氏、赤羽氏と3代連続で公明党所属議員が務めてきた。いずれも堅実で積極的な国土交通行政の運営方針を貫き、東日本大震災からの復興をはじめ、新幹線や高速道路の整備などのインフラ事業の整備を着実に推進した。物流政策においても、新型コロナウイルス感染拡大への対応に迫られる配送現場に赤羽氏が足を運び、社会に不可欠なインフラである物流の途絶回避に奔走。物流業界の支持を集めた。

斉藤氏は学生時代に物理学を専攻し、会社員でも技術開発研究に打ち込むなど、いわゆる「理系」頭脳の持ち主だ。物流現場の喫緊の課題である業務効率化の実現に向けて、海外勢を中心とした物流DX(デジタルトランスフォーメーション)化への待望論が急速に広がっている。アナログな発想が未だ支配的な業界で、ここは理論的に物流課題の解析による先進的な手法による課題解決に導くリーダーシップにも期待したいところだ。(編集部・清水直樹)