ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

日本GLPが流山で7棟目着工、一連の開発終盤へ

2021年10月11日 (月)

拠点・施設日本GLP(東京都港区)は11日、千葉県流山市で進めている物流施設開発プロジェクト「GLP ALFALINK流山」の一角を成す「GLP ALFALINK 流山7」の建設工事に着手すると発表した。2023年5月の完成を予定する。

同プロジェクトは物流施設8棟で構成。2016年9月に工事に着手、23年6月末に整備が完了する計画。今回で7棟目の工事が始まったことになる。

「GLP ALFALINK流山7」は、都心から25キロメートル圏内に位置し、常磐自動車道「流山インターチェンジ」を経由して首都圏各地だけでなく東北や信越地方など広域アクセスも優位性が高い。主要道路の国道16号にも近く、関東一円の配送拠点としても優れた立地と言える。

施設面の特徴としては、1階は入出荷をスムーズに行える両面バースを備え、天井高を標準よりも高くすることで、自動化・省人化をはじめ最新のテクノロジーを利用した庫内作業にも対応できる仕様とし、高い効率性を提供する。働く環境としては、全館に空調設備と大型シーリングファンを設置し庫内環境を整えるほか、自動車通勤者が多いことを見込んで自走式駐車場を整備し、利便性を高める。温かい食事を提供する厨房、そしてカフェテリアやコミュニケーションスペースを設置することで、交流が生まれるエリアを創り、快適性のみならず豊かな就労環境を提供する。「GLP ALFALINK 流山」の共用スペースのさまざまなアメニティや施設・サービスも利用でき、ライフタイムの充実が図れるようにする。

「GLP ALFALINK」は、「創造連鎖する物流プラットフォーム」をコンセプトとして、従来の物流施設における効率化・最適化を超えた、これまでにない価値や事業を創造していく拠点となる施設づくりを目指している。「Open Hub」(オープンハブ、物流をもっとオープンに)、「Integrated Chain」(インテグレイティッドチェーン、サプライチェーンをつなぐ)、「Shared Solution」(シェアードソリューション、ビジネスの進化をサポート)をキーワードとし、コンセプトに基づいた多様な設備・サービスを提供する。

■「GLP ALFALINK流山7」施設概要
所在地:千葉県流山市中野久木
敷地面積:5万4000平方メートル
延床面積:12万平方メートル
構造:免震・PC造、地上4階建て

日本GLPの流山プロジェクト、いよいよ終盤へ

日本GLPの「GLP ALFALINK流山」プロジェクトが、いよいよ終盤に入ってきた。全8棟のうち7棟目となる今回の「GLP ALFALINK流山7」が着工。残す「GLP ALFALINK流山4」が22年1月に予定通り着工することになれば、それで計画地の全域で開発が進むことになる。全国有数の規模の物流施設開発プロジェクトが、いよいよその全貌を現し始める。

日本GLPが「GLP ALFALINK流山」プロジェクトを完成させる予定である23年6月は、おそらく新型コロナウイルス感染症が一定の収束を見せ、経済活動が本格的に回復している可能性が高いタイミングだ。物流開発各社は、23年にはコロナ禍前の経済水準をほぼ回復していると想定して、全国で物流施設の整備を急いでいる。自民党の高市早苗政調会長が10日のNHKの番組で「少し新型コロナウイルスが落ち着いた場合に必ず消費爆発期は必ず来る」と指摘しているように、物流現場でも取扱量の反動増が到来するだろう。

日本GLPが流山の開発プロジェクトに着手したのは2016年9月。もちろんコロナ禍の前だが、偶然にも感染収束による消費爆発期に合わせてプロジェクトが完了することになりそうだ。もっとも、消費爆発とともに到来する「新しい生活様式」による宅配ニーズの定着は、アフターコロナ下で新たなニーズを呼び起こす可能性もある。いずれにせよ、こうした巨大プロジェクトは将来の物流ビジネスの方向性を左右する大きな存在であることは間違いなさそうだ。(編集部・清水直樹)