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JPRと群馬大、高効率な共同輸送ルート探索技術

2021年10月21日 (木)

産業・一般日本パレットレンタル(JPR、東京都千代田区)と群馬大学は21日、多数の輸送ルートが登録されたデータベースのなかから、効率が高い共同輸送の組み合わせを瞬時に列挙して提案する、共同輸送マッチング技術を開発したと発表した。

今回開発した技術は、数学分野で知られる「距離の公理」など背後に潜む不等式を上手く活用し、正確さを犠牲にすることなく探索する範囲を絞り込む。1台のトラックで3本の輸送を逐次的に処理する三角輸送や、3本の輸送を混載して同時に運ぶ混載輸送に対応。効率性が高く協力することでメリットが得られる輸送ルートの組み合わせを瞬時に提示することが可能になった。

▲三角輸送(左)と混載輸送(出所:日本パレットレンタル)

この技術は、日本パレットレンタルが提供する共同輸送マッチングシスム「TranOpt」(トランオプト)にコアエンジンとして搭載され、10月21日に一般ユーザー向けのサービスを開始。他にも、共同輸送を行う際の輸送運賃の予測値と、協力企業間での公平な費用負担を表示する機能を付加するなど、数学・数理科学分野の英知を活用している。

両者は今回の技術開発にあたって、匿名化された約1万7000本の輸送データを用いて、効率がよい三角輸送と混載輸送を列挙する実験を行った。指定する条件によって応答時間は変わってくるものの、単純な総当たりに比べて、三角輸送の探索の場合は4000倍、混載輸送の探索の場合も1500倍速く条件を満たす組み合わせを正確に列挙することができることが分かった。この技術を活用することで、1ユーザーからの複数のマッチング依頼や、複数ユーザーからの相次ぐマッチング依頼に瞬時に応答することができるという。

▲共同輸送マッチングシスム「TranOpt」のイメージ(出所:日本パレットレンタル)