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三井倉庫HDの統合報告書英語版が銅賞に選定

2021年10月22日 (金)

認証・表彰三井倉庫ホールディングス(HD)は22日、2020年10月に発行した統合報告書の英語版「MITSUI-SOKO GROUP/ VALUE REPORT(バリューレポート) 2020(English)」が、「International ARC Awards 2021」(インターナショナル・アワード2021)のTraditional Annual Report(トラディショナル・アニュアル・レポート)部門のLogistics Svcs./Enterprisesカテゴリーで銅賞に選ばれたと発表した。

「International ARC Awards」は、米国の独立評価機関であるMerCommが主催し、今年で第35回目。世界中の民間企業や政府機関をはじめ、NGO(非政府組織)や学校法人といった各種団体などから多数作品の応募があり、21年は世界28か国から1875作品の応募があった。

統合報告書の英語版「MITSUI-SOKO GROUP/ VALUE REPORT 2020(English)」は、三井倉庫グループにおけるサステナビリティへの取り組みをはじめ、経営・財務戦略など持続的成長へ向けた考え方について、総合的に理解しやすいツールとして制作し発行している。

三井倉庫HDは今回の受賞を契機として、今後も統合報告書の発行などを通じて、すべてのステークホルダーに企業価値向上と持続的な成長に向けた考え方や取り組みを継続的に発信していく。

▲「バリューレポート 2020」英語版(出所:三井倉庫ホールディングス)

実効的な情報発信で日本の物流品質を誇示する好機に

三井倉庫ホールディングス(HD)が、2020年度統合報告書の英語版が「International ARC Awards 2021」の銅賞に輝いた。海外投資家をはじめとする広くステークホルダーに情報発信するツールを評価する表彰に、日本の物流企業グループが選ばれたことは、日本の物流ビジネスの高い品質を世界に発信する絶好の機会になると受け止めたい。

統合報告書は、企業の売り上げや資産など法的に開示が定められた財務情報をはじめ、企業統治や社会的責任(CSR)、知的財産などの非財務情報をまとめたもの。欧米を中心とした海外機関投資家が投資の是非を判断する際に、企業の社会的責任を重要視し始めたことがきっかけとなり、海外の企業で財務情報と非財務情報をまとめて発行するようになった。国内企業でも、こうした海外投資化の意識を反映して、2010年代に入って急速に広がりはじめた。

とはいえ、本来は企業の独自技術・サービスなど強みである事業領域を紹介する機会であることは言うまでもない。また、機関投資家だけを対象にしたツールではなく、広く企業の取り組みを知ってもらうための発行物だ。物流企業で言えば、他社と差別化できる先駆的なサービスを訴求する、または独自の経営哲学を披露する場合もあるだろう。社会インフラを担う物流事業者としてのプライドを訴えるのもよいだろう。

今回の受賞は、日本を代表する物流企業である三井倉庫HDの事業展開そのものが世界に評価されたと言っても過言ではない。効果的な情報発信が新たなビジネスを創出し、企業価値を高める。するとさらに新たな市場獲得のチャンスが広がる。こうしたプラスの循環を生み出すためにも、物流各社には情報開示のあり方を考える機会にしてほしい。それが日本の物流品質を世界にアピールできる機会になると考えるからだ。(編集部・清水直樹)