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リベロ、soucoと協業で倉庫マッチングサービス

2021年11月1日 (月)

ロジスティクスリベロは1日、souco(東京都千代田区)と協業し、倉庫マッチングサービスを開始すると発表した。引越業界の課題解決を目指すプラットフォームサービス「HAKOPLA」(ハコプラ)の新たなメニューとして展開する。

ハコプラは、これまで横の連携の難しかった引越会社間の相互協力をかなえることで、引越業界の抱える様々な課題解決を目指す、引越しに特化したプラットフォームサービス。これまで参加引越会社の要望に応えるサービスを提供してきたが、今回はハコプラのサービスリリース当初より要望のあった「荷物の一時預かりサービス」「外部倉庫の利用」に関わる課題を解決すべく、soucoとの協業により倉庫事業者とのマッチングサービスメニューを開発。引越会社の倉庫利用に関わる課題の解決につなげる。

▲ハコプラへ参加する引越会社102社を対象に行われたアンケート調査結果(クリックで拡大、出所:リベロ)

リベロは、ハコプラに参加する引越会社102社を対象に、現在の「荷物の一時預かりサービス」の提供状況と課題点についてアンケート調査を実施。多くの引越会社が荷物の一時預かりをオプションサービスとして利用者へ提供しており、保管サービスは引越会社にとってほぼ必須のサービスと言える状況にあるなかで、自社倉庫の管理や倉庫事業者との契約における作業が煩雑であるとの意見を参考として、ハコプラの管理画面よりオンラインで利用料金の確認や、希望エリアの倉庫事業者との契約ができる仕組みを構築した。

利用料金は全国一律で引越しで使用する車両サイズに基づいた設定とし、車両サイズと保管日数による明確な料金体系で、倉庫利用の見積り手続きの煩雑さを解消。引越会社は、普段利用しているハコプラの管理画面より倉庫マッチングメニューを選択すると、料金のシミュレーションが可能になる。車両サイズ、希望利用日数を登録後に料金シミュレーションで価格を確認し、内容に問題が無ければ希望エリアを登録することで、倉庫の手配を始めることができる。

soucoが条件に合う倉庫事業者をマッチングし引越会社へ報告、倉庫事業者との契約はクラウドサインを利用したオンライン締結を導入することで、最短で契約締結の3日後からの倉庫利用が可能となる。「その場ですぐに料金確認が可能」「1日単位で利用可能」「手続きのオンライン化」など、これまでの倉庫利用における手続きとの差別化を図り、引越会社へ当サービスを提供する。

物流ビジネス活性化策のキーワードは「マッチング」だ

物流業界における「マッチング」サービスが急速に広がってきた。リベロが提供を始めたのは、引越業界における荷物の一時保管サービスだ。マッチングサービスと言えば、目的地まで貨物を運び終わった帰りの便などでトラックの荷台が空いている運送会社の車両情報と、運びたい荷物があるが車両を手配できない荷主の貨物情報を活用し適切な配車手配を行う「求荷求車」ビジネスが一般的だ。それを倉庫ビジネスにも応用した今回のサービス。荷主と運送会社の相互利益を追求したマッチングサービスは、物流ビジネスにおける一ジャンルとして確固たる地位を獲得しつつある。

(イメージ)

引越ビジネスは今、その姿を大きく変えようとしている。一般世帯やオフィスのいわゆる「引越業務」をベースとした模様替え支援や各種展示会のプロデュースなど、荷物の移動を基点とした高付加価値ビジネスの展開に知恵を絞る。その背景には、引越業社が乱立したことによる価格競争の激化や、テレワークの普及に代表される働き方の多様化に伴う引越需要の減少など、業界環境の変化がある。引越業界が推進する一時保管サービスも、こうした動きの一環で生まれたものだ。

そこで今回の倉庫マッチングだ。倉庫一時保管サービスをより効率よく展開する手法を模索する過程で生まれた発想が、マッチングによる相互利益の創出だった。

いわば求荷求車サービスの倉庫版として、引越業界における新たな価値提供ビジネスとして広がりを見せるのか。信頼性の確保などマッチングサービスの課題を検証し改善に努めることで、ビジネスとしての精度は高まっていくだろう。マッチングは引越しを含む物流業界の活性化のキーワードとして、すっかり定着した感がある。(編集部・清水直樹)