ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

センコーグループ、高級輸入ワインEC店舗を開設へ

2021年11月4日 (木)

(出所:センコーグループホールディングス)

ECセンコーグループホールディングスは4日、グループの酒類・生活雑貨専門商社スマイル(東京都江東区)が高級輸入ワインEC(電子商取引)ショップ「アークセラーズ・オンライン」を11月30日に開設すると発表した。

スマイルはことし4月にアークセラーズを設立し、ECショップの開設準備を進めてきた。アークセラーズはアークセラーズ・オンラインの運営を始めることで、国内外のワイン市場における高付加価値商品を、消費者に直接提案して販売する。

アークセラーズ・オンラインは、世界の銘醸産地のうちトップクラスの生産者から、厳選した高級ワインやヴィンテージワインなど珍しい商品を取り寄せる。定額サブスクリプションや樽買い、共同購入など多様な販売方法を取り入れていく。

全国ワインコンクール入賞歴を持つ社員の知見を活かし、それぞれのワインが持つストーリーや味に納得して購入できるワインセミナーの開催など、ファンコミュニティづくりも強化する。

センコーグループは、「人々の生活を支援する企業グループ」として、顧客ニーズを的確にとらえた商品やサービスの提供に取り組む。

「アークセラーズ・オンライン」公式サイト(11月30日オープン)

さらなる高品質サービスを切磋琢磨して追求する絶好の機会に

総合物流企業のセンコーグループが、新規ビジネスに乗り出す。傘下のスマイルが新会社を設立し、高級輸入ワインのECショップ「アークセラーズ・オンライン」を開設する。物流事業者が輸送ノウハウを商品の納入に活かすことで創出した新サービス。まさに総合物流企業ならではの水平展開と言えそうだ。

物流サービスに対する社会の位置付けは、ここ10年で大きく変化していると感じる。2011年の東日本大震災をはじめとする列島を襲った災害は、物流が社会に不可欠なインフラであるとの認識を国民や産業界に強く認知させた。さらに、各種ECサービスの普及などによる消費スタイルの多様化は、物流サービスに対するより高水準なニーズを求めた。

物流各社はこうした動きに対応して、サービス向上を加速。結果的に各社の取り組みの差別化を促すこととなり、既存サービスの深掘りとともに新規ビジネスの発掘に注力する動きを強めた。今回のセンコーグループの取り組みも、こうした文脈で生まれたものだ。とりわけ高級ワインは、物流サービスにおける付加価値の高さを如実に示す格好の対象であると言えるだろう。

国内のワイン物流は、SBSホールディングスグループをはじめとする総合物流企業が強みを持つ領域だ。センコーグループは、新規ビジネスで新たな差別化を図りながら市場獲得競争を繰り広げることになる。差別化戦略の先でさらなる差別化を求められるのは、顧客ニーズに対応したビジネスの常道だ。ぜひサービス品質を切磋琢磨して、より高い水準を目指してほしい。それが業界さらには産業界全体の活性化を呼び込む。(編集部・清水直樹)