ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

日本郵船、海運好況強まり3回目の通期上方修正

2021年11月4日 (木)

(出所:日本郵船)

財務・人事日本郵船は4日、2022年3月期の通期連結業績予想を上方修正すると発表した。ことし8月4日に公表した前回予想数値について、売上高を1兆8500億円から2兆円に、営業利益を1500億円から2200億円に、経常利益を5000億円から7100億円に、親会社株主に帰属する当期純利益を5000億円から7100億円にそれぞれ引き上げた。今期における通期連結業績予想の修正は3回目。海運市況の業績回復が強さを増している。

旺盛な貨物需要による市況の改善が続き、定期船事業における当社持分法適用会社 OCEAN NETWORK EXPRESSの業績が想定を上回るレベルで推移。航空運送事業や物流事業でも引き締まった需給が続いている。不定期専用船事業においても、ドライバルク市況が好調に推移することが見込まれることから、業績予想を上方修正した。

22年3月期の配当予想も修正した。期末配当額について、8月4日公表の前回予想の1株あたり500円から600円に引き上げた。年間配当額は第2四半期末の200円と合わせて700円から800円に増配となる。

同日発表した22年3月期第2四半期累計連結決算は、売上高が前年同期比45.6%増の1兆513億8100万円、営業利益が同7.1倍の1179億3300万円、経常利益が同8.4倍の3972億4600万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同18.5倍の4113億1900万円で、大幅な増益を確保した。

持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESSの好調な業績などにより、営業外収益で持分法による投資利益として2951億円を計上。うち、同社からの持分法による投資利益計上額は2823億円となる。

定期船事業は、欧州航路でスポット運賃が上昇し業績に寄与。国内外のターミナルでは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済停滞からの回復で取扱量が増加したことから、増収増益だった。

航空運送事業は、コンテナ船の輸送スペース不足や港湾の待機混雑の影響により海上貨物の一部が航空輸送に切り替わる動きが依然として継続。例年は落ち込む夏季にも北米・欧州線を中心に貨物搭載量や運賃が高水準で推移し、こちらも増収増益だった。

物流事業は、航空貨物取扱事業がコロナ禍で国際旅客便の減便・運休が続いたことによる供給スペースの減少に加えて、第2四半期における航空オペレーションの混乱により需給がひっ迫。機動的な購買活動により輸送スペースを確保したことで、取扱量は前年同期比で増加し、業績を牽引。増収増益となった。