ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

アルファディア、宅配事業向けレンタルバイク開始

2021年11月16日 (火)

(出所:アルファディア)

産業・一般レジャー用リムジンやハイヤーの配車サービスを手がけるアルファディア(東京都大田区)は16日、デリバリーサービスを始める飲食店や個人事業主、副業希望者向け宅配用バイクレンタルサービス「サニーバイク」を開始したと発表した。

新型コロナウイルス感染拡大による宅配ニーズの高まりを受けて、リアル店舗の宅配サービスへの参入が相次いでいる。アルファディアはこうした動きを支援する取り組みとして、独自ルートでバイクを集めてレンタル仕様に整備し、低料金で貸し出す。

飲食店が独自にデリバリーサービスを始める場合に課題となるのが初期費用の捻出だ。コロナ禍によって経営が圧迫されるなかで、新たにデリバリー用バイク購入は経営の大きな負担になる。アルファディアは、こうした課題の解決策としてレンタルバイクサービスを発案した。

サニーバイクは、月額9800円からデリバリー用バイクを貸し出す。後払いにも対応する。サービス提供エリアは東京都と神奈川、千葉、埼玉の1都3県で、今後さらに広げる。

「宅配ニーズ」向けサービスは長期的な視点で考えるべし

新型コロナウイルス禍が、新たな物流関連サービスを生み出した。外出自粛や在宅勤務などの生活スタイルがもたらした宅配ニーズの高まりをビジネスチャンスと捉えた、デリバリー事業参入者向けレンタルバイクサービス。宅配ニーズはコロナ禍で一気に需要が拡大したが、収束後も「新しい生活様式」として定着する可能性も高い。宅配ニーズを拠りどころにしたビジネス創出の動きは当面”収束”しそうもない。

▲2021年フードデリバリーサービス利用動向調査(クリックで拡大、出所:ICT総研)

アルファディアのレンタルバイクサービス「サニーバイク」は、対象者を新たにデリバリービジネスに参入する事業者と明確化し、低料金設定で参入時の初期費用の削減に貢献するとしている。しかし、もう一つの狙いがあるのではないだろうか。つまり「一定程度の継続的な利用」だ。むしろ、初期費用だけではなく運転資金の効率的な運用を進めるためにも、サニーバイクのシステムは魅力的だ。

インターネットの普及で進み始めた消費スタイルの多様化は、コロナ禍で一気に定着した。宅配サービスはその象徴であり、もはや「巣ごもり」の必要がなくなっても生活スタイルとして浸透していくだろう。高齢化はその傾向をさらに強める要因になるであろうし、流通業者もそれに対応した商品展開を加速するのは必至だ。

宅配ビジネスを当て込んだ新規サービスは、今後も増えていくだろう。そこで留意すべきは、「コロナ禍への対応」よりも長期的な「新しい生活様式」に即したサービスとして訴求していくことだろう。コロナ禍を経験し、社会はさらに新たな方向へ進んでいる。それに乗り遅れてはならない。(編集部・清水直樹)