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セイノーなど、ドローンで牛検体の配送実証に成功

2021年11月18日 (木)

▲実証で配送された牛の乳房炎の検体(出所:セイノーHD)

産業・一般経済産業省北海道経済産業局、イノベーションチャレンジ実行委員会、セイノーホールディングス(HD)、エアロネクスト(東京都渋谷区)は17日、ドローンを活用した牛の乳房炎の検体の配送実証に全国で初めて成功したと発表した。

ドローン配送と陸上配送のリレーによる牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送において、温度管理や振動、ドローンと陸送との連携、リレー配送後の検査品質評価といった一連の作業を実証。安全性や品質維持に問題がなく実証は成功した。今回の実証は経済産業省「地域産業デジタル化支援事業」を活用して実施した。

牛個体の検査業務を実施するバイオ企業においては、へき地である酪農地帯への検体の配送が、人手不足により年々困難となりつつある課題を抱える。現状は運送会社が運搬しているが、60キロメートルの距離を運搬する場合は、2日間を要することもあり品質が損なわれる懸念があった。

▲配送スタッフがドローンスタッフへ検体の入った箱を手渡す様子(出所:セイノーHD)

実証の結果、ドローン配送時の振動は、配送後の検査品質に影響しないレベルであり、配送後の検査品質も実用に耐えうるレベルであることが確認できた。配送の課題が多い畜産業界全般におけるスマート物流の実装可能性を検証できた。

ドローンを活用した牛の検体の一連配送の実証を日本で初めて成功したことで、乳汁に限らず血液や受精卵など、畜産業界におけるスマート物流の社会実装に向けた大きな第一歩となる。実用化に向けて、寒冷地の気候における実証なども視野に入れながら、引き続き、連携して検討を重ねていく。