ロジスティクス川崎汽船は25日、ITコンサルタントのアヴィエラン(名古屋市名東区)と共同で、自動車船事業において非自走貨物を輸送する際に使用するラッシング(固定・固縛)資材収納用ボックスを可視化する実証実験を行ったと発表した。
川崎汽船は、自動車船事業でロールトレーラーを利用した非自走貨物輸送サービスを展開。ロールトレーラーへ貨物を固縛する際には、ロールトレーラー1本に付き数十本のラッシング資材を使用する。ラッシング資材は管理本数が多く、揚げ地での紛失や船舶で資材を回収する専用ボックスの管理が課題となっていた。
課題解決の最初のステップとしてラッシングボックスの位置情報の可視化を考案。ラッシング資材の製造販売やソフトウェア開発を展開するアヴィエランのノウハウを活用して物流IoTソリューションを開発し、その実証実験をことし9月から2か月間、日本・豪州間の航路に投入している川崎汽船の自動車専用船で実施した。
ラッシングボックスに位置計測機能付きIoTデバイスを取り付けて、輸送中のボックスの位置を目標とした精度でシステム上に可視化できたことを確認。輸送中の振動や熱などデバイスの耐久性に問題がないことも確かめた。予定とは異なる動きの検知や、ラッシングボックスの地域ごとの位置情報を可視化することが可能となった。
今回のラッシングボックスの位置情報・状況の可視化の実証実験の結果を踏まえて、ボックスとラッシング資材、ロールトレーラーの管理の最適化に取り組むことで、資材管理の高度化と業務効率の改善につなげる。
川崎汽船は、自動車船事業おける非自走貨物の輸送サービス強化に取り組んでいる。さらなる輸送品質の向上を図るため、AI(人工知能)などデジタル技術の活用に注力する。