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大日本印刷、商品の物流などプロセス情報提供実証

2021年12月6日 (月)

(出所:大日本印刷)

産業・一般大日本印刷は3日、日本農業(東京都品川区)の運営する農家直営のスープ専門店「たんとスープ」が販売する商品を対象に、生活者がスマートフォンでパッケージの二次元(QR)コードを読み取ると、商品の原材料から製造・出荷・流通などにいたる過程の情報が画面に表示される実証実験を開始したと発表した。

たんとスープは、農薬や化学肥料を使わずに育てた野菜を使用した商品。生産者や食品製造事業者は、プロセス情報を提供することで健康や環境への配慮など商品の魅力を伝えることができる。大日本印刷と日本農業は今回の実証実験を通じて、プロセス情報の登録・蓄積・運用などの手順や作業負荷やプロセス情報に対する生活者の評価やニーズを検証していく。

国内の農業は就労者不足や耕作放棄地の増加などが課題になっており、企業はSDGsへの取り組みや、環境・社会・ガバナンスに配慮したESG経営が求められている。生活者は製造・流通時の環境負荷が小さく、SDGsに貢献する商品を選択するなど、持続可能性を意識した購買行動に変化してきている。

こうした変化を受けて、食品関連の事業者には、生活者の多様なニーズに応える付加価値の高い商品の提供に取り組みながら、その価値を効果的に訴求したいというニーズが高まっている。

このたび、この課題に対してパッケージを通じて商品のプロセス情報を生活者に提供するため、商品を個々に認識する「個体識別ID」を実装。個品単位の情報管理を可能とする大日本印刷の「スマートIoTパッケージ」と、農業の価値向上および就農者の増加を理念に野菜の生産からスープの製造・販売を行う日本農業のノウハウを掛け合わせ、両社が共同で実証実験を開始する。

日本農業は、登録・蓄積した商品のプロセス情報にリンクさせるQRコードを「たんとスープ」のパッケージに掲出して販売。「たんとスープ」購入者はQRコードをスマートフォンで読み取ることでプロセス情報を確認できる。大日本印刷は、情報蓄積のためのスマートフォンアプリの企画・運用設計と、農場や製造拠点・販売店舗などでのアプリの活用を支援する。

▲プロセス情報にアクセスするためのQRコードは商品製造時のパッケージに貼付する(出所:大日本印刷)